福岡市の警備員が一人旅でたどり着いた愛媛県宇和島市の深く癒される旅時間
毎日、都市の安全を守るという責任ある仕事の中で、気づかないうちに少しずつ蓄積していた心の疲れ。その重みをそっと下ろせる場所を求めて、私は福岡市からひとり、愛媛県宇和島市へと旅に出ました。豊かな自然、静かな港町、そしてやさしい人々と文化が息づくこの地で、心がゆっくりとほぐれていくのを感じた旅の記録を、じっくりと綴っていきます。
穏やかな海と山に包まれる宇和島への旅路
福岡市から宇和島市への道のりは、少し長旅ではありますが、それこそが心を整えるための準備のようでした。まず新幹線で博多から岡山へ、そこから特急で四国・松山へと向かい、さらに宇和海の車窓を眺めながら宇和島へ。海と山が交互に現れる景色に、自然と呼吸も深くなっていきました。
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車内で過ごす静かな時間も、旅の大切な一部。誰にも急かされることのない移動の中で、心が少しずつ旅モードへと溶け込んでいくような感覚がありました。
宇和島城と闘牛場で出会った歴史と誇り
宇和島市に到着してまず向かったのは、町の中心にそびえる宇和島城。小高い山の上に立つ天守からは、町全体と宇和海を見渡すことができ、風に吹かれながら眺めるその景色は、まさに“癒し”そのものでした。静かな石段をひとつずつ登っていく時間さえも、自分と向き合うひとときになります。
そして、宇和島といえばもう一つ、全国でも珍しい「闘牛」が文化として根付いています。今回は開催日ではありませんでしたが、闘牛場の見学ができ、地元の方が丁寧に案内してくれました。誇りをもって語るその姿にも、町の温かさを感じました。
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静けさに包まれる宿で過ごす、夜の癒し
宿泊先に選んだのは「JRホテルクレメント宇和島」。駅からも近く、落ち着いた雰囲気が特徴のホテルです。部屋の窓からは穏やかな宇和海が見え、静かに夕日が沈んでいく様子をぼんやりと眺めていると、時間の流れが緩やかになっていくのを実感しました。
清潔で整った室内、やわらかな照明、そして静かな夜。ベッドに体を沈めると、全身がふわっと力を抜いていくような、心からの安堵が押し寄せてきました。大浴場もあり、湯に浸かる時間がまた格別です。日々の喧騒がまるで遠い過去のことのように思えてきました。
郷土料理「鯛めし」と地酒の優しさに心ほどける
宇和島のグルメといえば、やはり「鯛めし」です。しかし、ここ宇和島の鯛めしは、全国的に知られる炊き込みご飯とは少し違い、生の鯛を特製のたれと卵で絡めて、ご飯にかけていただく“漁師飯”です。
初めて口にした瞬間、驚くほど繊細で、それでいてしっかりとした旨味が口いっぱいに広がりました。ご飯のあたたかさと生鯛の柔らかさ、甘辛いたれのバランスが絶妙で、思わず目を閉じて味わってしまうほどでした。
一緒にいただいたのは、地元の地酒「開明」。まろやかでふんわりと香る酒は、食事の余韻をやさしく包んでくれるような味わいでした。ひとりで静かにいただく酒の時間もまた、旅ならではの贅沢です。
手に取るだけで癒される宇和島のお土産たち
旅の最後に訪れたのは、宇和島駅前のお土産店。そこで見つけたのが、真珠のアクセサリー。宇和島は真珠の産地としても有名で、小ぶりで上品なネックレスやピアスは、家族や友人への贈り物としてもぴったりです。
また、地元の柑橘「河内晩柑」を使ったゼリーやジュース、宇和島じゃこ天なども人気です。じゃこ天はその場で揚げたてをいただけるお店もあり、帰る前にもう一度、宇和島の味をしっかり噛みしめることができました。
心をほどく旅、また訪れたくなる町
福岡での警備の仕事は、常に緊張感があり、気を張ることが求められます。でも、こうして宇和島のような町で、何も考えずに自然と歴史と人の温かさに触れていると、「ああ、また頑張れる」と心の奥から思えてきます。
愛媛県宇和島市は、華やかではないかもしれませんが、心に静かに寄り添ってくれる町です。帰りの列車の中で、窓の外の風景をぼんやり眺めながら、私はすでに「また来たい」と思っていました。
忙しない日々の中で、心の置き場所を見失いそうになることがあるなら、ぜひ一度、宇和島を訪れてみてください。そこには、静かに、しかし確かに、自分を取り戻せる時間が待っています。