福岡市の警備員が静けさを求めて訪れた愛媛県西条市の癒し旅
日々、都市の喧騒の中で人々の安心を守る仕事をしていると、時には心の奥底まで静かに癒される時間が恋しくなります。そんなとき、私はふと地図を開き、目に留まったのが「水の都」とも呼ばれる愛媛県西条市でした。四国の中央に位置し、名水百選に選ばれるほどの湧き水と、自然に抱かれた静けさの街。今回は、そんな西条市へ、制服を脱いで一人旅に出たときの、心がほぐれていくような体験を綴ります。
名水のまちを歩くだけで癒される 西条のまちなみ散歩
西条市に降り立つと、まず感じたのは「空気が柔らかい」ということでした。どこか、呼吸が深くなるような、清らかな空気に包まれています。この町は「うちぬき」と呼ばれる湧水が各所にあり、町中を静かに流れる水の音が、心をじんわりとほぐしてくれます。
西条駅から歩いてすぐの場所にある「うちぬきの小径」は、石畳の路地沿いに水が流れ、風情ある民家が並ぶ風景。地元の人とすれ違うと、にこやかな挨拶が自然に交わされて、まるで昔から知っている町に帰ってきたような安心感があります。
国内旅行の格安予約なら【ビッグホリデー】
石鎚山ロープウェイで大自然に包まれるひととき
少し足を延ばして向かったのは、霊峰・石鎚山。標高1982メートルを誇る四国の屋根とも呼ばれる山で、そのふもとにある「石鎚山ロープウェイ」は、私のような体力に自信がない者でも大自然を間近に感じられるありがたい存在です。
ロープウェイに揺られて山を登ると、眼下に広がるのは四季の彩りに染まった木々と、遠くに見える瀬戸内の海。ロープウェイの中は静かで、ただ風の音と自分の呼吸だけが聞こえる空間。普段の仕事では味わえない、時間が止まったかのような感覚でした。
格安国内ツアーなら!エアトリ国内ツアー
「西条アーバンホテル」で迎えた穏やかな夜
宿泊は西条駅近くの「西条アーバンホテル」にしました。ビジネスホテルでありながら、内装は温かみがあり、スタッフの対応も非常に丁寧で、心が緩みます。窓からは西条の町並みと、遠くに石鎚山を望むことができ、部屋にいながらも自然の息吹を感じられるのが魅力でした。
大浴場では、天然水を使ったお風呂があり、体の芯からじんわりと温まりました。静かな夜、布団に身を沈めながら、日々の緊張が少しずつほぐれていくのを感じました。
西条名物「鉄板ナポリタン」と地酒「石鎚酒造」のぬくもり
西条グルメの中でも、地元の人に愛されているのが「鉄板ナポリタン」。喫茶店「マルブン本店」でいただいたこの一皿は、ジュウジュウと音を立てる熱々の鉄板に、ケチャップたっぷりのナポリタンが盛られ、卵がとろりと絡む、どこか懐かしくて新しい味でした。
さらに、忘れてはならないのが地元の銘酒「石鎚」。ふくよかな香りとまろやかな口当たりで、料理の味を優しく引き立ててくれます。地元の居酒屋で一人、静かに飲みながら旅の余韻に浸る時間は、まさに「大人の贅沢」でした。
やさしさが詰まった西条のお土産たち
旅の終わりに立ち寄った「西条まちの駅」では、お土産選びもまた癒しのひとときでした。特に心惹かれたのは、地元産の素材を使った「手作り石鹸」と「うちぬき水のボトル」。どちらもシンプルながら、旅の静けさと優しさが込められているようなアイテムです。
また、「石鎚山の天然水を使った羊羹」や、「しまなみ海道をイメージした和菓子」など、見た目にも美しく、味もやさしいものが揃っていました。職場へのお土産としてもぴったりで、渡すたびに旅の思い出話が広がっていきそうです。
福岡から西条へののんびり癒しルート
福岡市から西条市へのアクセスは、のんびりとした列車旅が楽しめます。まずは新幹線で岡山まで向かい、そこからJR特急「しおかぜ」に乗って西条へ。途中、瀬戸内海の景色や小さな町々を眺めながらの移動は、まるで旅そのものがすでに癒しの始まり。
車窓の景色がどんどん自然に変わっていく様子に、心も自然と落ち着いていきます。西条に近づくにつれて、山の輪郭がくっきりと浮かび上がり、もうすぐこの穏やかな町に会えるんだと、胸が静かに高鳴りました。
おわりに
愛媛県西条市で過ごした一人旅は、ただ静かな時間の中に身を置き、呼吸を整え、五感を研ぎ澄ませるような旅でした。名水の音、木々のざわめき、地元の人々のあたたかな笑顔、そしてゆっくりと流れる時間が、私の心をそっと包み込んでくれました。
警備員という仕事は、人の安全を守る反面、自分の心を守る時間を持つことが難しい仕事でもあります。だからこそ、こうして一人でふらりと出かけ、自然と街に癒される時間が、私にとっての「心の休息」なのです。
また疲れたら、きっとこの町を思い出して戻ってくるでしょう。水の音が迎えてくれる、やさしい町、愛媛県西条市。静けさとあたたかさに包まれた、忘れられない癒しの一人旅になりました。