福岡市に住む警備員として、日々忙しく働くなか、ふと訪れたくなったのが大分県別府市。どこか懐かしくて、温かく迎えてくれる街。その静けさとやわらかな湯けむりに包まれながら、私は一人、癒しの旅へと出かけました。別府の魅力は、ただ温泉だけではありません。人のぬくもり、土地の味、風景の優しさ……そのすべてが、疲れた心をじんわりとほぐしてくれるのです。
心を癒す温泉の街 大分県別府市とは
別府市は大分県の東部に位置する温泉地で、人口はおよそ11万人ほど。市内のいたるところから立ちのぼる湯けむりが印象的で、まるで街全体が温泉に包まれているようです。気候は年間を通して温暖で、冬は寒すぎず、夏も比較的過ごしやすいのが特徴です。
そんな穏やかな気候の中で湧き出す数々の温泉は、世界有数の湧出量を誇り、その種類も多種多様。別府八湯と呼ばれる8つの温泉地をはじめ、地元の人が通う共同浴場や観光客に人気の露天風呂まで、どこに行っても心も体も温めてくれます。
癒しの観光地をめぐるひととき
旅のはじまりは、JR別府駅。駅を降りた瞬間、湯けむりが空にふわりと漂い、心がじんわりとほどけていくのを感じました。まず向かったのは「別府地獄めぐり」。海地獄、血の池地獄、龍巻地獄など、名前とは裏腹に、どれも幻想的で静かな時が流れています。青く透き通る海地獄の湯面に見惚れて、気づけば時間を忘れていました。
その後は、別府ロープウェイに乗って鶴見岳へ。標高1300メートルからの眺めはまさに絶景。眼下に広がる別府湾と街並みは、何ともいえない安らぎを与えてくれました。
別府温泉でしか味わえない極上の湯
今回の旅で何よりも癒されたのは、やはり温泉です。鉄輪(かんなわ)温泉では、趣のある木造の共同浴場で静かに湯に浸かりました。お湯はほんのり硫黄の香りがして、肌をやさしく包み込むよう。肩まで沈めたとき、ふっと力が抜け、深呼吸したくなるほどの心地よさに包まれました。
さらに、明礬(みょうばん)温泉では、湯の花小屋を見学し、昔ながらの湯の文化に触れながらの入浴体験も。また、足湯カフェや蒸し湯も点在しており、旅の合間に気軽に癒しの時間を楽しめるのも別府の魅力のひとつです。
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郷土の味に心もほぐれる食の時間
温泉で温まった体を、次は地元の味で満たします。別府名物の「とり天」は、サクッと揚がった鶏肉に甘酸っぱい酢醤油とカラシを添えていただきます。衣の軽さと鶏の旨みのバランスが絶妙で、一口食べるたびに笑顔になりました。
そして、地獄蒸し料理も外せません。温泉の蒸気で素材の旨味を閉じ込めたこの料理は、野菜も魚も驚くほどふっくらと仕上がり、体にやさしい味わいです。温泉と料理、その両方から“癒し”が染み込んでいくようでした。
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思い出を形に 懐かしさを感じるお土産選び
旅の終わりには、大分銘菓「ざびえる」や「やせうま」、明礬温泉の湯の花をお土産に。どれも手に取るだけでこの別府の旅を思い出せる、やさしい存在です。特に湯の花は、自宅でも温泉気分を味わえるため、帰宅後も癒しの余韻に浸ることができました。
おすすめの旅のルート
私の旅のルートはこうです。
博多駅から特急ソニックで別府駅へ(約2時間)。
→ 別府地獄めぐり(3〜4ヶ所を散策)
→ 昼食はとり天や地獄蒸し
→ 鶴見岳へロープウェイで登山と絶景
→ 夕方から鉄輪温泉や明礬温泉でゆったり入浴
→ 宿泊は源泉掛け流しの小さな旅館でのんびり
→ 翌日は足湯カフェや地元の商店街を散策してお土産選び
急がず、焦らず。静かに自分のペースで歩く、そんな旅が別府にはよく似合います。
心も身体も、ふわりと軽くなる別府の旅へ
別府市の旅は、心をじんわり温め、いつの間にか肩の力を抜かせてくれます。警備員という責任ある仕事に日々向き合う私にとって、この一人旅はとても大切なリセットの時間でした。
また忙しい日常に戻っても、ふとした瞬間にこの旅を思い出せば、それだけで少しだけ穏やかな気持ちになれそうです。福岡からすぐ行ける場所に、こんなにも優しい世界がある。そんな気づきを与えてくれた、大分県別府市。これからも、何度でも訪れたくなる、癒しの町です。