静岡県沼津市――そこは、福岡市で忙しく働く中年警備員の私にとって、まるで心を洗うような癒しの時間をくれた場所でした。
日々の警備の仕事は、気を張る場面も多く、心身ともに緊張が続くもの。だからこそ、ふとした休日には、ふらりと遠くへ、一人で旅に出たくなります。
今回選んだのは、海と山、そして美味しいものに恵まれた静岡県沼津市。ここには、静けさと活気が見事に同居する空気が流れていました。
駿河湾の青に癒された港町の朝
沼津駅に降り立つと、まず感じたのは穏やかな海風でした。福岡から新幹線と在来線を乗り継ぎ、4時間半の移動。長旅の疲れも、この空気に包まれると、すっと軽くなるのを感じます。
最初に向かったのは、沼津港。朝の光がキラキラと海面を照らし、漁船が静かに行き交う光景に、心がふわりと浮かびました。
港の遊歩道をゆっくり歩くだけで、不思議と胸の奥があたたかくなります。都会の喧騒とはまるで違う、静かな時間がそこに流れていました。
新鮮な海の幸が心も体も満たす
沼津といえば、やはり海鮮料理。
港近くの食堂に入り、名物の「沼津丼」を注文しました。マグロやアジ、イカなどが彩りよく盛られた丼は、見るからに美しく、口に運べばひとつひとつの魚の旨味が広がります。
仕事柄、コンビニ弁当で済ませがちな日常。だからこそ、こうして丁寧に作られた料理をいただくと、「生きてるな」と心から感じることができます。
食後には、名物の干物を見に市場へ。アジやカマス、サバなどがずらりと並び、どれもお土産にしたくなるほどの香ばしさと存在感でした。
心に残る絶景との出会い
午後は、少し足を伸ばして「沼津御用邸記念公園」へ。ここは、もともと皇族の別荘だった場所で、美しい松林と海の景色が広がっています。
園内を歩いていると、鳥のさえずりと波の音だけが聞こえてきます。ひとりで歩くこの静けさが、たまらなく心地よいのです。
ベンチに座って、しばらく空と海を眺める時間。この何気ない時間が、なにより贅沢に感じられました。
天気に恵まれた癒しの一日
旅のあいだ、沼津はずっと快晴。
6月の初夏の陽気が、肌にやさしく、汗ばむこともなく、そよ風がとても心地よい。
雨だったら雨で風情があると思っていましたが、この日の青空は、私の旅を歓迎してくれているようにも思えました。
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お土産選びも、ほっこりとしたひととき
帰りがけに駅ビルで立ち寄ったお土産売り場では、沼津らしい干物やお茶、和菓子が並びます。
迷いに迷って、職場の同僚たちにはアジの干物セットを、自分用には桜えびせんべいとぐり茶を購入。
レジの女性が「気をつけて帰ってくださいね」と笑ってくれたのが、妙にうれしくて、胸がじんとしました。
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旅のルートはのんびりと、でも確かに心を癒す流れ
今回の一人旅のルートは、以下の通りです。
福岡市から新幹線で静岡へ(のぞみ→こだま乗り継ぎ)
静岡駅から東海道線で沼津駅へ
沼津港 → 港食堂で昼食 → 沼津御用邸記念公園 → 駅ビルでお土産購入
夕方の列車で静岡経由、福岡へ戻る
シンプルなルートですが、どこもゆったりと回れる場所ばかりで、心に余裕を持って旅を楽しめました。
一人でいるのに、満たされる不思議
今回の旅で一番感じたのは、「一人なのに寂しくない」ということでした。
旅先で出会う景色や人、空気が、自然と心に寄り添ってくれていたからかもしれません。
静岡県沼津市――また疲れたときに、ふと足を運びたくなる。そんな場所が一つ、私の人生に増えました。