忙しない日々の中で、ふと心が求めるのは静けさと温もり。そんな想いに導かれるように、私は福岡市から神奈川県箱根町へ一人旅に出かけました。警備員という仕事は、常に周囲に目を配り、気を張り続ける毎日です。だからこそ、旅先ではできるだけ心と体を解放し、自然や土地の空気に身を委ねたい。箱根町は、そんな私にとってまさに理想の場所でした。
雄大な自然と歴史に包まれる箱根町。名湯として知られる温泉、心を揺さぶる風景、そして人のやさしさが感じられる料理とお土産の数々。この旅では、心から癒された瞬間が何度もありました。今回はその旅の記録を、観光名所・料理・お土産・旅行ルートというテーマで、じっくりとご紹介します。
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芦ノ湖の静寂に癒される朝
旅の始まりは、箱根湯本駅からバスに揺られて芦ノ湖畔へ。まだ朝の光が柔らかく、湖面が静かに揺れている光景を目にした瞬間、自然と肩の力が抜けていきました。湖を見渡すと、まるで絵画のように美しい箱根神社の赤い鳥居が静かに佇んでいます。
湖畔を歩きながら、鳥のさえずりや木々のざわめきに耳を傾けていると、まるで時間が止まったかのように感じられました。観光客で賑わう前のこの時間帯は、本当におすすめです。芦ノ湖を周遊する遊覧船にも乗り、湖上から眺める箱根の山々に心を奪われました。
箱根神社で心を整えるひととき
芦ノ湖から徒歩で向かう箱根神社では、深い森の中に吸い込まれるような静けさを味わえます。長い階段を一歩ずつ登りながら、自分の内側と向き合うような感覚になります。本殿で手を合わせると、不思議と心がすっきりし、澄んだ空気が胸の奥まで届くようでした。
神社の裏手には九頭龍神社の新宮があり、こちらも厳かで幻想的な雰囲気に包まれていました。旅先でこんなにも心が安らぐ場所に出会えるとは、思ってもみませんでした。
湯本の温泉街と心に染みる料理
昼食は箱根湯本の温泉街にある老舗の和食処へ。そこでいただいたのは「湯葉と豆腐の御膳」。優しい味わいに、思わず涙がこぼれそうになりました。湯葉の柔らかさ、出汁の深み、素材のひとつひとつに丁寧さを感じ、心がじんわりと温まりました。
食後は街を歩きながら、温泉まんじゅうを頬張り、小さなカフェで温泉コーヒーをいただきました。どの店の方も笑顔で迎えてくださり、旅人を受け入れる町のやさしさに触れることができました。
強羅の自然とアートの癒し
午後からは登山鉄道で強羅へ向かいました。のんびりと揺られる列車の時間が、まるで童話の世界に入り込んだような心地よさ。強羅公園ではバラがちょうど見ごろで、花々に囲まれて静かに過ごす時間がとても贅沢でした。
さらに、箱根彫刻の森美術館にも足を延ばしました。自然と芸術が調和した空間は、心に穏やかな波紋を広げてくれます。特に「幸せを呼ぶシンフォニー彫刻」では、カラフルなステンドグラスの中に身を置き、天に向かって伸びていく光の道に、未来への希望を重ねました。
旅の締めくくりは極上の温泉
宿は仙石原の静かな温泉宿にしました。こぢんまりとした和風の宿には、源泉かけ流しの露天風呂がありました。湯に浸かりながら夜空を眺めていると、すべてが溶け合い、ただ“今ここ”にいる幸せを感じました。
誰にも邪魔されず、ただ自分と向き合う時間。お湯の温かさに包まれて、心の奥底にあった疲れがふわっとほどけていくようでした。
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旅の思い出を詰め込んだお土産
帰り道には、箱根湯本の商店街でお土産選び。木の温もりが感じられる寄木細工の小箱や、箱根限定のラベンダーの香りの入浴剤、そして大好きな温泉まんじゅうをいくつか購入しました。どれも、旅の記憶をそっと思い出させてくれる大切な品です。
おすすめの旅行ルートと過ごし方
今回の旅は、1泊2日の行程で、以下のようなルートを組みました。
1日目
福岡空港から羽田空港へ → 小田原駅経由で箱根湯本へ
芦ノ湖 → 箱根神社 → 遊覧船 → 湯本で昼食・温泉街散策
強羅公園 → 彫刻の森美術館 → 仙石原で宿泊・温泉
2日目
宿で朝風呂 → 箱根ガラスの森美術館 → 湯本でお土産選び
小田原駅から羽田空港 → 福岡へ帰路
このルートは、無理のない移動距離でありながら、箱根の魅力をしっかりと味わえる内容です。のんびりとした旅をご希望の方にぴったりです。
おわりに
神奈川県箱根町は、心と体を休めるためにあるような場所でした。忙しい日常の中で、少し立ち止まりたいとき、自分を癒したいとき、ぜひこの地を訪れてみてください。私のような中年の警備員でも、何度でも通いたくなるような優しさが、箱根には溢れています。
この旅を通して、私はまた明日からの一歩をやさしく踏み出せるような気がしています。箱根町は、そんな“再出発”をそっと応援してくれる場所でした。