福岡の警備員の一人旅No.154 福岡市に住む警備員がひとり静けさと癒しを求めて旅した長野県小諸市で出会った美しい観光名所と心安らぐ宿とやさしい料理と深く香る地酒と温もりあるお土産とゆったり流れる旅行ルートの思い出

旅行

日常の喧騒を離れ長野県小諸市へ一人旅

私は福岡市に住む警備員です。日々、緊張感の中で多くの人々の安全を見守る仕事に向き合っています。そんな中、ある日の夜勤明け、心の奥にたまった疲れをふと自覚しました。「誰にも気を使わず、ただ静かな場所で深呼吸したい」。そんな気持ちが強くなり、地図を広げて目に入ったのが長野県小諸市でした。

標高の高い信州の空気、古き良き町並み、そして自然と文化が静かに共存するこの町に、心惹かれたのです。こうして、私は小諸市への癒しの一人旅を決めました。



風情と静けさに包まれる小諸市の観光名所

小諸駅に降り立った瞬間、澄んだ空気とどこか懐かしい香りが胸に広がりました。まず向かったのは「懐古園」。小諸城跡に広がるこの場所は、桜や紅葉の名所として知られています。訪れた時期は晩秋、ひんやりとした空気の中、色づいた木々の間を歩いていると、まるで時間がゆっくりと流れているようでした。

石垣や古井戸、苔むした道に歴史の深さを感じ、心が静かに整っていくのを感じました。その後、千曲川沿いに歩きながら、「小諸なる古城のほとり」という与謝野晶子の短歌を思い出しました。詩人たちが愛した景色が、今も変わらずそこにありました。



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自然と一体になる宿で心からくつろぐ

今回の宿泊は、千曲川を見下ろす高台に建つ温泉旅館「中棚荘」にしました。木造の建物は風情があり、館内には読書室や囲炉裏もあって、とても静かです。部屋の窓からは遠くに浅間山が見え、夕暮れになるとその稜線が赤く染まるのをぼーっと眺めて過ごしました。



楽しみにしていた温泉は「初恋りんご風呂」。地元で採れたりんごを湯船に浮かべた香り高いお湯が、身体の芯まで温めてくれました。日々の疲れがふわっと抜けていくようで、何度も深呼吸したくなる癒しの空間でした。



やさしい味わいが広がる小諸の郷土料理

夕食には、信州の自然の恵みを生かした料理が並びました。まず感動したのは、信州サーモンの刺身。とろけるような食感とほどよい脂が絶妙でした。そして、地元で採れた山菜の天ぷらや、野沢菜の漬物、そば粉を使ったそばがき。どれも素朴ながら深い味わいで、作り手の優しさが伝わってくるようでした。

特に「くるみダレそば」は忘れられない味でした。香ばしく砕かれたくるみの甘みと塩気が絶妙に合わさり、喉越しのよい信州そばと相性抜群でした。口に運ぶたびに、身体にやさしい満足感が広がっていきました。



地元の酒蔵で出会った香り高い日本酒との時間

食後には、旅館でおすすめされた小諸の地酒「亀の海(かめのうみ)」をいただきました。グラスに注がれた瞬間、ふわりと香る吟醸香。そのやわらかな味わいに、心の奥まであたたかさが染み込んでいくのがわかりました。

酒蔵を訪ねると、昔ながらの製法で丁寧に仕込んでいる様子を見ることができました。杜氏の方の真摯な姿勢と、澄んだ水と空気の恵みに感謝しながら味わう地酒は、旅の中でもとりわけ心に残るひとときでした。



大切な人を思い浮かべて選ぶお土産の時間

旅の終わりに、小諸駅前の土産店でゆっくりとお土産を選びました。りんごジャムやワイン、くるみを使ったお菓子、そして小諸和紙で作られたブックカバーなど。どれも温もりを感じるものばかりで、大切な人の顔を思い浮かべながら選ぶ時間がとても豊かでした。

特に「信州味噌」を自分用に買って帰りました。この旅の味を、日常の中でも少しずつ楽しみながら思い返したい、そんな気持ちになったのです。



福岡からの癒しの旅路は、時間そのものが贅沢に感じるルート

今回の旅路は、福岡空港から羽田空港へ飛び、そこから新幹線で佐久平駅まで移動し、最後はしなの鉄道で小諸駅へ。飛行機、新幹線、在来線とゆっくり景色を楽しみながら移動するルートは、まるで「心をほぐす準備」のようでした。

駅ごとに風景が変わり、どんどん静かで懐かしい世界へと誘われていくあの感覚は、一人旅だからこそ味わえる醍醐味だと思います。



静けさに身を委ねた先に見つけたもの

小諸で過ごした時間は、ただ観光するだけの旅とはまったく違う、心に寄り添ってくれるような体験ばかりでした。静かな公園、ぬるめの温泉、やさしい料理、地酒の香り。どれもが「がんばりすぎなくていいんだよ」と語りかけてくれているようでした。

都会ではなかなか味わえないこの静けさは、まさに私の心にとっての薬となりました。福岡に戻っても、小諸の記憶は折に触れてふわっと蘇ります。そしてまた、心が疲れたときは、小諸に戻りたいと素直に思うのです。



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長野県小諸市がくれた、心の余白とやさしさ

福岡市で働く中年の警備員としての毎日は、責任と緊張の連続です。でも、そんな私にも、自分を労わる時間が必要でした。その場所として、小諸市はこれ以上ないほどぴったりでした。

自然と文化、静けさと温もり、人の手と心が伝わる場所。長野県小諸市での一人旅は、私にとって「心を整える場所」があるという安心感を与えてくれました。

また必ず、小諸の空気を吸いに行きたい。そう思える旅になりました。

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