瀬戸内海に浮かぶ神の島、厳島神社を一人で歩く旅
福岡市で警備員として働く私は、日々の勤務の合間に、心を整える一人旅に出ることを楽しみにしています。今回選んだ行き先は、広島県廿日市市にある「世界遺産･厳島神社」。朱塗りの大鳥居が海に浮かぶ幻想的な風景は、日本を代表する絶景の一つです。
静寂と神聖さが同居する厳島の地で、歴史と自然に抱かれるひとときを過ごしてきました。
厳島神社の場所と気候について
厳島神社がある宮島（正式名称は厳島）は、広島県の廿日市市沖に浮かぶ島です。広島駅からJRとフェリーを乗り継ぎ、1時間程度でアクセスできます。宮島口からフェリーで渡る数分間の船旅も、この神聖な旅の序章のようで心が高まります。
気候は温暖で、四季折々の表情を楽しめます。春は桜、夏は青い海と緑、秋は紅葉、冬は澄んだ空気と静けさが島を包み込みます。年間を通して過ごしやすく、特に春と秋が観光には最適です。
歴史と特徴〜海に浮かぶ信仰の象徴〜
厳島神社の創建は推古天皇の時代、593年にさかのぼると伝えられています。平安時代には平清盛によって現在のような荘厳な社殿が整えられ、海上に建つ独特の姿が形成されました。
神社全体が潮の満ち引きによって景色を変える構造で、まさに自然と建築が調和した日本の美を象徴する存在です。特に干潮時と満潮時で見える景色がまったく異なるため、訪れる時間帯によって違った印象を受けます。
文化的・宗教的価値の高さ
厳島神社は宗像三女神を祀る神社で、海上交通の守護神として古くから人々の信仰を集めてきました。社殿の朱色は邪気を払い、海の青と絶妙なコントラストを描きます。
さらに舞楽が奉納される高舞台や、朝廷からも重要視された歴史が刻まれた能舞台など、宗教儀礼と芸術が融合した空間でもあります。
1996年にはユネスコの世界文化遺産に登録され、日本国内外から信仰と美の両面で注目される神社となりました。
詳細に見ていく社殿の構成と見どころ
厳島神社の社殿は本殿・拝殿・回廊・能舞台・高舞台などで構成されており、それぞれが海上に建てられています。建築は寝殿造の様式を取り入れており、雅な雰囲気が漂います。
特に大鳥居はシンボル的存在で、高さ16メートル、重さ60トン以上の木造構造物です。潮が満ちると水に浮かんでいるように見え、干潮時には歩いて近づくことも可能です。
また、神社の裏手に広がる弥山（みせん）にも登れば、厳島神社全体を見下ろす絶景が広がり、島全体が信仰の場であることを実感できます。
訪れる者を惹きつける厳島神社の魅力
厳島神社の魅力は、ただの観光地にとどまりません。日々の生活で感じるストレスや忙しさから解き放たれ、神聖な空間で心がリセットされる感覚があります。
海の上に立つ社殿、森に囲まれた静けさ、山の頂から望む絶景。どこを切り取っても、「ここに来てよかった」と感じられる旅先です。外国人観光客にも人気がありながら、どこか素朴で落ち着いた雰囲気が保たれている点も大きな魅力のひとつです。
年間訪問者数とその理由
厳島神社を訪れる年間観光客数は、約400万人にも及びます。春の桜、夏の花火大会、秋の紅葉、冬の澄んだ神秘的な光景と、四季折々に表情を変えるため、リピーターも多いのが特徴です。
また、世界遺産としての知名度や、アクセスの良さ、周辺のグルメや土産処の充実も多くの人々を惹きつけています。
福岡市からの一人旅ルートとおすすめの旅の流れ
福岡市から厳島神社を訪れるには、新幹線が最も便利です。博多駅から新幹線で広島駅まで約1時間。そこからJR山陽本線で宮島口駅へ向かい、フェリーで宮島に渡ります。移動時間は全体で2時間半程度。日帰りも可能ですが、島内に宿泊すれば早朝や夜の幻想的な風景も楽しめます。
旅の流れとしては、フェリーで島に渡ったらまず大鳥居と社殿を拝観。その後は商店街で名物のあなご飯やもみじ饅頭を味わい、午後は弥山に登って絶景を楽しむのがおすすめです。時間に余裕があれば、厳島神社の夜間ライトアップも幻想的で必見です。
警備員としての日常から、神聖な旅の中へ
警備の仕事は緊張感と責任の連続です。だからこそ、こうした一人旅の中で「静けさ」と「自分だけの時間」を持つことが、何よりの癒しになります。
厳島神社の神秘的な空気に触れ、波の音を聞きながら社殿の回廊を歩いていると、普段忘れていた感情が静かに胸に湧き上がってきました。
神様に手を合わせるとき、そこには言葉にできない安心感と背中を押されるような優しさがありました。
また一つ、大切な記憶が増えました。厳島神社という場所は、歴史と自然、そして心の拠り所を与えてくれる、そんな旅先でした。
皆さんもぜひ、日常から少し離れ、自分だけの「癒しの旅」を探しに訪れてみてください。世界遺産･厳島神社が、きっと温かく迎えてくれます。
