忙しい日常を少し離れて、心と体を癒やす旅がしたい。そんな思いで、今回私が向かったのは徳島県の西部に位置する美馬市（みまし）。福岡市で警備員として働く私にとって、旅は心を整える大切な時間です。歴史と自然、そして美味しい郷土料理が楽しめる美馬市で、心あたたまる一人旅を楽しんできました。
美馬市の人口と気候から見る暮らしのやさしさ
徳島県美馬市は、人口約26,000人ほどの小さなまちです。県内では中山間地域に分類される場所で、四国山地の懐に抱かれるように広がっています。気候は比較的温暖で、冬は雪が降ることもありますが、基本的には過ごしやすく四季折々の美しさを楽しめるのが魅力です。
特に春と秋は過ごしやすく、朝夕の澄んだ空気と山々の色彩が、どこか懐かしさを感じさせてくれます。都会の喧騒を離れて、のんびりと歩くにはぴったりの町です。
うだつの町並みで時代をタイムスリップ
美馬市の名物スポットといえばうだつの町並みです。江戸時代から明治時代にかけて栄えた商人の町並みが今も残り、白壁と格子戸の建物が通りに連なります。「うだつが上がらない」という言葉の語源にもなった“うだつ”は、防火壁としての役割を持ちながら、商人たちの財力の象徴としても活用された意匠です。
静かな石畳の道を歩くだけで、時間がゆっくりと流れるような感覚になります。現地の観光案内所で着物をレンタルして町歩きするのもおすすめです。
大自然に包まれる癒しの絶景スポット
美馬市には、自然を感じられるスポットもたくさんあります。特におすすめしたいのが脇町公園や美馬の山里風景。朝靄がかかる山々の風景はまさに絶景で、息をのむほどの美しさがあります。
また、穴吹川では夏に川遊びやカヌー体験も可能。私は春の終わり頃に訪れたのですが、澄んだ川の水が太陽の光に反射してキラキラと輝いていて、それを眺めているだけでも心が癒やされました。
郷土料理に舌鼓を打つ時間
旅の楽しみといえば、やっぱり地元の料理。美馬市でぜひ味わってほしいのは、祖谷そばや**阿波尾鶏（あわおどり）**を使った料理です。
祖谷そばは太めでコシがあり、素朴な味わい。昔ながらの手打ちそば屋さんで食べると、なんだか故郷に帰ってきたような安心感があります。そして、ジューシーで歯ごたえのある阿波尾鶏は、炭火焼きにすると絶品です。
地元の道の駅でいただいた「阿波尾鶏親子丼」は、甘辛の出汁とふわふわの卵が絶妙に絡み合い、思わず「うまい」と声が漏れてしまいました。
旅の思い出にぴったりなお土産たち
美馬市には、お土産にぴったりの地元商品も充実しています。中でも人気なのが、美馬和紙を使った工芸品。しおりや便箋、和紙ランプなど、どれも手作りのあたたかみが感じられます。
また、地元の銘菓「うだつまんじゅう」もおすすめ。ふわっとした皮に包まれた甘さ控えめの餡は、お茶のお供にぴったりです。
帰りの駅でふらりと立ち寄った売店で出会った「阿波のゆずジュース」も爽やかで、福岡に戻ってからも旅の余韻に浸ることができました。
福岡から美馬市までの旅行ルート
福岡市から美馬市までは、公共交通機関でのアクセスも意外とスムーズです。まず博多駅から新幹線で岡山まで移動し、そこから特急「南風」などを乗り継いで徳島線の脇町駅を目指します。
少し時間はかかりますが、その道中もまた旅の一部。車窓から見える風景や、途中のローカル駅での乗り換えも、どこか懐かしくて楽しいものです。
ちなみに、車でのアクセスも可能で、中国自動車道・高知道・徳島道を経由すれば、およそ6〜7時間で到着できます。のんびりドライブ旅もおすすめです。
まとめ 心がふっと軽くなるような場所
徳島県美馬市は、華やかさこそないけれど、どこか懐かしくて、やさしくて、あたたかい町です。自然、歴史、食、人、どれをとっても心がほっとする瞬間にあふれていて、福岡で忙しく働く私にとっては、まさに癒やしの聖地のような存在でした。
また時間ができたら、ふらりと出かけてみたい。そんな風に思わせてくれる町、美馬市。皆さんもぜひ、心の旅に出かけてみてください。
