福岡市で警備の仕事をしている私は、日々の喧騒と責任感の中で少しずつたまっていく心と体の疲れを感じていました。そんなある日、ふと地図を眺めて目にとまったのが、東京湾に面した町「千葉県木更津市」。海と街がほどよく調和し、ゆったりと流れる時間があるのではないかと感じ、迷うことなく一人旅を決めました。
木更津市の人口と街の空気
千葉県木更津市は、約13万人が暮らす中規模の都市です。アクアラインの開通で東京や横浜へのアクセスも良く、海に囲まれながらも都市機能が整っているのが特徴です。海と山の両方の風景が感じられるこの町は、訪れる人に安心感と穏やかさを与えてくれます。
気候は比較的温暖で、冬でも極端な寒さは少なく、潮風が優しく吹き抜ける気持ちのよい日が多いです。私が訪れたのは春先でしたが、昼間は上着なしでも過ごせるほどの気持ちのいい陽気でした。
海と風に癒される観光名所
木更津市には見どころが本当に多く、しかもどれもが心をゆるめてくれるスポットばかりです。
まず訪れたのは「中の島大橋」。全長236メートル、日本一高い歩道橋として知られています。橋の上から見える東京湾の景色は圧巻で、海と空が溶け合うような大パノラマにしばし時間を忘れました。
次に向かったのは「木更津港の潮干狩り場」。まだ少し肌寒い季節ではありましたが、干潟でのんびりと歩くだけで癒されます。子どもたちの笑い声と、波の音だけが響く世界に、私の心も自然とほどけていきました。
また、「木更津アウトレット」では、静かな平日に訪れたこともあり、広々とした空間の中でのんびりと買い物や散歩を楽しめました。日常を忘れるような贅沢な時間でした。
やさしい味わい 木更津の郷土料理
旅の楽しみといえばやはり食。木更津市は漁港があるため、魚介類が豊富で新鮮です。なかでも「アサリ料理」は外せません。
地元の小料理屋でいただいたアサリの酒蒸しは、潮の香りがふわりと立ち上り、口に含めばじんわりと旨みが広がります。また、「バカ貝(アオヤギ)」を使った握り寿司もいただきました。とろけるような食感に感動し、思わず笑みがこぼれました。
他にも、千葉県名物の「なめろう」や「さんが焼き」など、魚を存分に味わう郷土料理はどれも心と体に優しい味でした。
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旅の余韻を持ち帰るお土産たち
旅先での思い出を家に持ち帰るには、お土産も大切です。木更津には地元らしさが詰まった品々がそろっています。
まずおすすめしたいのが「アサリの佃煮」。甘辛く炊かれたアサリがご飯のお供にぴったりで、帰宅後も旅の味を思い出させてくれます。
また、「房総びわゼリー」や「海苔」「落花生スイーツ」など、千葉らしさを感じる甘味も充実しています。木更津市の駅前やアウトレット内で、気軽に購入できるのもありがたいポイントです。
癒しの旅路とおすすめのルート
今回の旅のルートは、福岡空港から羽田空港へ飛行機で約2時間。羽田からは東京湾アクアラインを通る高速バスで、1時間弱で木更津駅へ到着します。
そこからはレンタカーを借りて、海岸線沿いにドライブしながら観光スポットをめぐるのがおすすめです。中の島大橋、木更津港、アウトレット、地元の温泉施設などをゆっくり巡ることで、体だけでなく心までもが癒されていきました。
旅の終わりに思うこと
福岡での忙しい日々の中、ふと「立ち止まりたい」と思った私が選んだ木更津市という町。そこには海があり、風があり、静けさがありました。そして何より、人の温かさと自然のやさしさがありました。
日々を頑張るすべての人にこそ、この町での癒しの時間を体験してほしいと思います。何気ない風景の中に、忘れていた感情や静かな幸せがそっと眠っている――そんな場所が木更津市です。
また必ず戻ってきたい。そう思いながら、帰りのバスで静かに目を閉じた私の胸には、潮の香りと優しい春風の記憶が、しっかりと残っていました。