福岡市に住む警備員の私は、日々の喧騒や夜勤の疲れを癒すため、心の静けさとぬくもりを求めて、一人で旅に出ることがあります。今回訪れたのは、大分県国東市(くにさきし)。ここには、古くから続く仏教文化と、優しい自然、素朴で味わい深い郷土の料理、そして何より人々の笑顔に包まれる、まるで時間がゆったりと流れるような癒しの空間が広がっていました。
この長旅の記録を、同じように日々頑張っている誰かの癒しのヒントになればという思いを込めて、ここに綴ります。
国東市の基本情報と気候のやさしさ
国東市は、大分県の北東部、国東半島に位置する静かな町です。人口はおよそ2万4千人ほどと、それほど多くはありませんが、その分、自然との距離がとても近く、人とのつながりが濃く感じられる場所です。
気候は温暖で、冬も雪がほとんど降らず、夏も海風が心地よく吹き抜けるため、過ごしやすい日々が続きます。空を見上げれば、どこまでも広がる青さと、遠くに見える山々のシルエット。呼吸するだけで心が浄化されていくような、そんな空気感がこの街にはあります。
仏の里と呼ばれる歴史の深さに心が静まる
国東市が特に知られているのが、「仏の里」としての顔です。六郷満山文化と呼ばれる独自の山岳仏教文化が根づいており、多くの古寺や石仏群が点在しています。
まず足を運んだのは「両子寺(ふたごじ)」。杉の古木に囲まれた参道を進むと、静寂の中に響く鳥の声、木々のざわめき。まるで時代を越えて導かれているかのような不思議な感覚に包まれます。
山あいにひっそりと佇む「真木大堂」では、迫力のある木造仏像たちが、今なお力強い眼差しで私たちを見守っています。こうした空間に身を置くと、自分の悩みや疲れが小さなものに思えてきて、自然と心が整っていくのです。
自然の美しさと静けさに包まれる観光名所
国東市には、歴史だけでなく、圧倒的な自然の美しさにも触れることができます。国東半島の先端にある「真玉海岸」は、夕日の名所。干潮時に現れる波のリズムと、空に染まるオレンジのグラデーションは、言葉では表現しきれないほどの美しさです。
また、安岐ダム湖畔や両子山など、山と水の調和が生み出す静かな景観も魅力のひとつ。鳥のさえずりと風の音しか聞こえない場所に腰を下ろすと、自分と向き合う時間の大切さを思い出させてくれます。
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郷土料理のやさしさに癒されるひととき
旅の楽しみのひとつはやはり食事。国東市では、地元で獲れた新鮮な魚や山の恵みを使った料理が堪能できます。特に印象に残ったのは「たこめし」。国東のタコは歯ごたえがあり、ほんのり甘いタレが染み込んだご飯との相性は抜群でした。
そして、「ぎょろっけ」という魚のすり身を使ったコロッケは、素朴ながらもほっとする味わい。どこか懐かしく、まるで昔食べた母の手料理を思い出させてくれるような温かさがあります。
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優しさを詰めて持ち帰る国東市のお土産
旅の終わりには、心に残る風景や人との出会いと共に、何かしら形として持ち帰りたくなるものです。国東市にはそんなお土産がたくさんあります。
手作り感あふれる「国東せんべい」は、素朴な味でお茶にぴったり。地元の農産物を使ったジャムやドレッシング、そして「国東ゆず」を使った調味料などもおすすめです。どれも心を込めて作られていて、贈る相手にもそのやさしさがきっと伝わるでしょう。
おすすめの旅行ルートと旅のすすめ
福岡市から国東市へは、車で約3時間ほど。途中で別府や杵築市を経由するのもおすすめで、日帰り温泉や城下町の散策も楽しめます。
私の場合、朝早く福岡を出発し、昼前には国東に到着。まずは両子寺で心を整え、昼食にたこめしを味わい、午後は真玉海岸でのんびりと過ごすというルートを選びました。宿泊するなら、静かな温泉宿に泊まって、夜は満天の星を眺めるのも最高です。
心の奥深くまで染み込む癒しの旅をあなたにも
国東市は、決して派手な観光地ではありません。しかし、その分だけ、旅人を静かに、そして深く癒してくれる力があります。自然の中に溶け込み、歴史と向き合い、人の温もりに触れる――そんな旅を求めているなら、国東市はきっと応えてくれるはずです。
福岡市で日々頑張っているあなたにこそ、ぜひ訪れてほしい場所。自分を見つめ直し、また明日からの一歩を踏み出すための力をくれる、そんな国東市での一人旅でした。