福岡市で警備員として働く私は、心を整えるためにたびたび一人旅に出かけています。静かな時間を求めて、今回は大分県杵築市を訪れました。歴史ある町並み、美しい自然、温かな人々と郷土料理……そこには、現代の喧騒を忘れさせてくれる癒しの空間が広がっていました。
杵築市の人口と穏やかな気候
大分県の北東部に位置する杵築市は、人口約2万6千人の小さな町です。海と山に囲まれたこの地域は、年間を通して比較的温暖で、夏は心地よい風が吹き抜け、冬も厳しさをあまり感じさせません。自然の移ろいを肌で感じられるこの土地には、季節ごとの穏やかな癒しがあります。
城下町の静けさと歴史に心がほどける
杵築市の最大の魅力は、「サンドイッチ型城下町」として知られる独特の町並みです。高台に武家屋敷があり、その間に商人の町が広がる構造は全国でも珍しく、歩いているだけでタイムスリップしたような感覚になります。私はまず杵築城跡を訪れ、高台から町を見下ろしました。静かな海、広がる緑、そして瓦屋根の家々。思わず深呼吸したくなるような景色が広がっていました。
歴史の坂道をゆっくりと歩く
「塩屋の坂」や「酢屋の坂」など、趣のある石畳の坂道を下りながら、昔の人々の暮らしに思いを馳せます。坂道の途中には古民家カフェや、着物レンタルのお店などもあり、観光客も楽しめる工夫がされていますが、決して商業的になりすぎていない控えめな雰囲気が心地よいのです。古き良き日本が、ここには確かに息づいています。
癒しの観光名所をめぐる
杵築市の観光は、派手さはありませんが、じんわりと心を包み込むような場所が多くあります。杵築城の周辺だけでなく、「守江湾」の穏やかな海や、夕日の名所「真玉海岸」、四季の草花が楽しめる「大分農業文化公園」など、自然と共に過ごす贅沢な時間が用意されています。私は真玉海岸で、刻一刻と色を変える夕陽をぼーっと眺めながら、無言の癒しを受け取りました。
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心も体も満たされる郷土料理
旅の楽しみといえば、やはりその土地ならではの料理です。杵築では、地元の海でとれた新鮮な魚介類を使った「りゅうきゅう（漬け魚のどんぶり）」や、手間ひまかけてつくられた「だんご汁」が有名です。私は古民家風の食堂で、心温まるだんご汁をいただきました。素朴ながらも深い味わいが、体の芯までしみわたるようでした。
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旅の締めくくりに選んだお土産たち
家族や職場の仲間には、地元で人気の「かぼす関連商品」や「杵築茶」、「地酒」をお土産に選びました。中でも「かぼす羊羹」は、甘さの中にかぼすの爽やかな風味が効いていて、自分用にも一つ買ってしまうほどの美味しさでした。
福岡からの旅行ルートと小さな発見
福岡市から杵築市までは、車で約2時間半。大分自動車道と宇佐別府道路を経由し、途中の景色も楽しいドライブコースです。途中で立ち寄ったサービスエリアで食べたご当地ソフトクリームや、山々の間を走る道中に見える田園風景も、旅の癒しのひとつでした。
心がほぐれる、そんな町がここにあります
現代社会に疲れた心を、やさしく包み込んでくれる場所。それが杵築市です。福岡から日帰りでも訪れることはできますが、ぜひ一泊して、この町の静けさと温もりを、肌で感じてみてください。城下町を歩き、夕日を眺め、郷土料理に癒される。そんな、心を整える大人の旅が、ここ杵築市にはあります。
