日々の喧騒と責任の重さのなかで働く警備員としての毎日。
福岡市に暮らす私にとって、時には心と体をゆっくり休める「ひとり旅」は、何よりのご褒美です。
今回、私が旅先に選んだのは、兵庫県の西端にある港町、相生市(あいおいし)。
人口はおよそ2万8千人ほどと、静かで落ち着いた空気が流れる小さな町ですが、そこには他にはないあたたかさと癒しが詰まっていました。
相生市のやわらかな気候と町の表情
相生市は、年間を通じて温暖な気候が特徴です。冬でも比較的穏やかで、夏も海風が涼しく感じられます。
今回の旅は初夏、6月の風がやさしく肌をなでる季節。
緑がまぶしく、港の空気はどこか懐かしい香りを含んでいました。
駅に降り立った瞬間から、気負わずに深呼吸できる、そんな場所です。
海と歴史に抱かれた相生市の特色
相生市は造船の町として栄えた歴史をもち、現在もその名残が街の至るところに残っています。
ですが、それ以上に心に残ったのは「人のやさしさ」。
旅の途中で道を尋ねれば、地元の方が丁寧に教えてくれる。
小さな商店に入れば、どこか懐かしい笑顔が出迎えてくれる。
観光地ではなく、暮らしのある町。
その温度が、旅人の心をそっと包んでくれるのです。
癒しの観光名所をゆっくり巡る時間
まず訪れたのは相生湾。
穏やかな波と空のグラデーションが美しく、ベンチに腰かけてぼーっと眺める時間は、言葉では表せないほどの癒しでした。
次に足を運んだのは、羅漢の里。自然の中にひっそりと佇むこの場所は、石仏と木漏れ日が織りなす静寂の空間。
心が洗われるとは、まさにこのことだと思いました。
また、万葉の岬は、万葉集にも詠まれた絶景スポットで、海に沈む夕日がまるで映画のワンシーンのよう。
カメラを構えることも忘れて、ただただその光景を見つめていました。
国内旅行の格安予約なら【ビッグホリデー】
郷土料理に癒されるひととき
相生市といえば、地元の漁港で水揚げされた新鮮な魚介類が自慢です。
特に名物は「牡蠣」。
私は駅近くの食堂で、焼き牡蠣と牡蠣ご飯をいただきましたが、ぷりっとした食感と海の香りが口いっぱいに広がり、身体の奥まであたたかくなるようでした。
また、地元産の味噌を使った味噌汁や、瀬戸内の鯛を使った小料理も、旅人の胃と心をやさしく満たしてくれました。
ごはんって、こんなにも力を持ってるんだなと、しみじみ感じました。
格安国内ツアーなら!エアトリ国内ツアー
相生の旅のお土産で旅の記憶を持ち帰る
相生市には、心のこもった手作りのお土産がたくさんあります。
おすすめは、地元の酒蔵で造られた日本酒や、牡蠣を使った加工品、さらには手作りの陶器や木工製品。
私は、相生湾をイメージして作られた青い釉薬の湯呑をひとつ買って帰りました。
福岡の自宅でその湯呑を使うたびに、相生で過ごした静かな時間が心に蘇ります。
旅のルートもまた、癒しの一部です
福岡市から相生市までは、新幹線を使えば意外とスムーズです。
博多駅から新大阪まで新幹線で約2時間半。そこから山陽本線で1時間ほどで相生駅に到着します。
長すぎず、短すぎず、旅にぴったりの距離感。
車窓からの風景をぼんやり眺めながら、ゆっくりと気持ちがほぐれていくのを感じました。
時間に追われない旅路。どこかで途中下車するのもいいし、早起きして朝の港町を歩くのもまた最高です。
「行って帰ってくる」その過程すら、癒しの時間になるのです。
また帰ってきたいと思える場所
この旅を終えて、心に残ったのは観光地の華やかさではなく、「何もないことの豊かさ」でした。
ゆっくり歩く。景色を眺める。人と話す。静かに食事をする。
相生市は、そんな当たり前だけど、なかなかできない「本当の癒し」が詰まった場所です。
福岡市に戻った今も、あの空と風、そして静けさが、ふとした瞬間に心をほぐしてくれます。
またいつか、ふらりとこの町に帰りたくなる。
そんな旅を、また続けていきたいと思います。