福岡の警備員の一人旅No.354 福岡市に住む警備員が静けさと温もりを求めて歩いた癒しの富山県南砺市の一人旅の記録

旅行

富山県の南西部に位置する南砺市。世界遺産の五箇山合掌造り集落や、四季折々に彩られる田園風景、そして心の奥にまで染み渡るような郷土料理と人情の温かさ。そんな場所に、日々の警備業務に追われる私が、ふと心を整えたくなって訪れたのがこの町です。

福岡市で暮らす警備員の私は、慌ただしい日常から一歩離れ、静けさと癒しを求めて北陸への旅を計画しました。旅の舞台は「南砺市」。そのひっそりとした魅力に触れた一人旅の記録を綴ります。



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美しき合掌造りの里 五箇山

旅の始まりは、南砺市の代表的な観光地「五箇山」からでした。合掌造りの家屋が並ぶ菅沼集落と相倉集落は、まるで時が止まったかのような風景。茅葺き屋根と雪の残る山々、川のせせらぎが響くなか、ゆっくりと歩く時間は心を空っぽにしてくれました。

観光客の少ない早朝に訪れると、鳥のさえずりと自分の足音だけが響き、ひとりで過ごす時間の尊さを実感します。合掌造りの内部を見学できる施設では、囲炉裏の煙の香りが昔ながらの暮らしを想像させてくれ、なんともいえない懐かしさに包まれました。



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静かな城端の町並み散策

次に訪れたのは、城端(じょうはな)の町。小京都と称されるその町並みは、石畳の小道と木造の商家が並ぶ、静かで落ち着いた空間です。町歩きをしていると、地元のおばあちゃんに話しかけられ、素朴な方言で「どこから来たんかね?」と微笑まれた瞬間、心がじんわりと温まりました。

じょうはな織館では、伝統の絹織物を実際に織る体験もできます。静かな音を聞きながら糸を紡ぐ時間は、都会では得られない貴重な癒しのひとときでした。



南砺の山の恵みに感動した郷土料理

旅の楽しみの一つは、やはり「食」です。南砺市では、山菜や川魚を活かした素朴な料理が出迎えてくれます。五箇山豆腐は、その硬さとコク深さに驚き、噛むたびに広がる旨味に心まで満たされていくようでした。

宿では、「ますの寿司」や「熊鍋」、春の山菜の天ぷらなどが並び、見た目にも味にも癒されるひととき。特に、地元の手作り味噌を使った味噌汁が体の芯まで温めてくれました。



雨が似合う町、南砺の天気と風景

私が訪れた日は、あいにくの小雨が降る日が多かったのですが、そのしっとりとした天気が南砺の風景にはむしろよく合っていました。霧がかった山々と、濡れた石畳の町並みは、どこか幻想的で、心を静かにしてくれる力があります。

傘をさしながら歩いた五箇山の小道では、雨音が癒しのBGMとなり、感情が穏やかに波打つのを感じました。晴れの日も良いですが、雨の南砺には独特の美しさがあります。



心を込めて選んだ南砺のお土産

旅の終わりには、家族や同僚、そして自分自身へのお土産を選びました。地元の和菓子「とちの実だんご」や、「五箇山和紙」のしおり、そして「南砺バターサブレ」など、素朴で心のこもった品ばかり。特に五箇山和紙でできた封筒は、手紙を書く時間を与えてくれるような温かさがあり、持ち帰った今でも机の上に飾っています。



旅のルートと移動の癒し

今回の旅は、富山駅からJR城端線で南砺市へ入り、町中ではレンタカーやバスを利用しました。道中に見える田園風景や山並み、地元の人々との触れ合いが移動そのものを癒しに変えてくれます。

早朝に出発し、日が暮れる前に宿に入るようにすれば、無理なくゆったりと旅ができます。都会のようなせわしなさがなく、すべてがスローペース。まるで自分の心拍数まで落ち着いていくようでした。



おわりに

富山県南砺市。そこには、忘れていた日本の原風景と、人の温かさ、そして静けさがありました。福岡市で働く一警備員として、ただの観光ではなく、自分の心と向き合うための旅を求めて訪れたこの町は、まさに「癒しの聖地」でした。

また季節を変えて訪れたい。そう思わせてくれる町に出会えたこと、それこそが旅のいちばんの収穫です。