福岡の警備員の一人旅No.353 福岡市に住む警備員が見つけた心ほどける癒しの旅 富山県氷見市で出会った静けさと美味しさと思い出の風景

旅行

氷見の海が迎えてくれた、優しい朝
富山県氷見市。北陸の海沿いに広がるこの町に、福岡市で警備員として働く私は癒しを求めてやってきました。勤務明け、少し冷え込む春の朝に新幹線と電車を乗り継ぎ、氷見駅に降り立った瞬間、潮の香りとまだ肌寒い風が心地よく、肩の力がすっと抜けていくのを感じました。



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空は少し曇りがちでしたが、雲の隙間から差し込む光が、どこか穏やかな旅の始まりを予感させてくれます。富山湾の海辺をゆっくり歩くだけで、心のざわつきが消えていくようでした。

見渡す限りの青と、静かな港の風景
氷見漁港の朝市へ立ち寄ると、地元の方々の穏やかな声が響き、そこには観光地らしからぬ日常のあたたかさがありました。揚げたての白えびのかき揚げを頬張りながら、潮風に吹かれる時間。それだけで胸がじんわりと満たされていきます。

近くの比美乃江公園からは、運が良ければ立山連峰を望む絶景が広がるとのこと。この日は少し雲がかかっていましたが、それでも海の向こうにぼんやりと浮かぶ山の稜線が幻想的で、しばらくベンチに座って見とれてしまいました。



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藤子不二雄Ⓐの世界に浸る、童心をくすぐるひととき
氷見は漫画『忍者ハットリくん』の作者・藤子不二雄Ⓐ先生の出身地でもあります。駅前にはハットリくんや怪物くんなどのキャラクターが描かれたモニュメントが並び、商店街にはいたるところに遊び心が散りばめられていました。

中年の男一人、と思いつつも、子どもの頃に夢中になったキャラクターに囲まれると自然と笑顔になります。ふとした記憶の扉が開くような、どこか懐かしく優しい時間でした。



氷見グルメに舌鼓 心もお腹も満たされる
この旅の楽しみのひとつは、やはり氷見のグルメです。昼食には「氷見寒ブリ」の刺身定食をいただきました。口の中でとろけるような食感と、噛むごとに広がる旨味に、思わず目を閉じて味わいました。あたたかい味噌汁と地元のお米が、寒さの残る季節にぴったりです。

夜は、地元の居酒屋でホタルイカの酢味噌和えや白えびの唐揚げをつまみに、富山の地酒をゆっくり味わいました。静かなカウンター席で、ひとり語らう時間。誰とも話さずとも、心がほぐれていくような癒しがそこにありました。



天気に包まれる旅の余白も、また贅沢
氷見市の天気は日によって変わりやすいですが、それもまた旅の味わいです。晴れ間の景色はもちろん美しいですが、小雨が降ると石畳や海辺がしっとりと輝き、より一層静けさが増します。

傘を片手に、雨音を聞きながら歩くひとときも、心を静めてくれます。雨の日の温泉は格別で、宿の露天風呂から聞こえるしとしととした雨音が、まるで子守唄のように響いていました。



お土産に癒しを連れて帰る
旅の終わりに選んだお土産は、氷見うどんと、地元産の干物、そしてハットリくんのキーホルダー。職場の仲間には氷見牛のカレー缶を。どれも手にしただけで、この癒しの旅がよみがえるような、ぬくもりのある品々でした。

そして、心に残る最大のお土産は、この町で過ごした静かで優しい時間です。旅を通して、いつもの日常が少しやわらかく見えるようになった気がします。



福岡から氷見への、ゆったり癒し旅ルート
福岡からの旅路は、まず博多駅から新幹線で新大阪へ、そこから金沢を経由して氷見へ向かいます。少し時間はかかりますが、その分、移動の中にも旅の情緒があります。

電車の車窓から眺める北陸の風景、乗り換えのたびに深まる旅気分。そんな道中すら、まるで癒しのプロローグのようです。



氷見市で過ごしたこの一人旅は、心を空っぽにして、また満たしてくれる、そんな不思議な力がありました。静かで、あたたかくて、ちょっと懐かしい。そんな氷見の空気に包まれた数日間が、警備員という仕事の疲れをやさしく溶かしてくれました。

またいつか、ふらっと訪れたくなる町。富山県氷見市は、そんな場所でした。