都会の喧騒を離れ、心をリセットするために、私は一人、宮崎県木城町へと向かいました。福岡市で警備員として働く私にとって、日常は緊張と責任の連続です。だからこそ、誰にも気を遣わず、ただ自然の中で深呼吸できる場所を求めて選んだのが、この木城町でした。
木城町へのアクセスと旅の始まり
福岡市からは高速バスで宮崎市まで向かい、そこからレンタカーで約1時間ほど。道中の山々や田園風景が少しずつ視界に広がっていく様子に、心がふわっと軽くなるのを感じました。車窓から差し込む朝日が、静かに新しい一日の始まりを祝ってくれているようでした。
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緑と水が織りなす癒しの絶景スポット
木城町といえば、まず外せないのが「川原自然公園」。清流小丸川の水音に包まれながら、のんびりと散歩するひとときはまさに至福です。水辺のベンチに座って、ただ流れる水を眺めているだけで、疲れがすーっと抜けていくようでした。
さらに足を延ばして訪れたのが「石河内渓谷」。ごつごつとした岩肌と透明度の高い渓流のコントラストは、まるで日本画のような美しさ。深呼吸するたびに、森の香りが胸いっぱいに広がります。普段の生活では感じられない“自然との一体感”に、思わず時間を忘れてしまいました。
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地元の料理が与えてくれるやさしい温もり
お昼は町内の食事処で、地元の食材を使った「きじうどん」をいただきました。やわらかく煮込まれた地鶏と、ほんのり甘い出汁が身体にしみわたります。木城町で育った野菜や山菜がたっぷり入った定食も絶品で、どれもこれも手作りの優しさにあふれていました。
夕方には、「木城温泉館 湯らら」でゆったりと温泉に浸かりました。泉質はとろりとした感触で、疲れた体を優しく包み込んでくれます。露天風呂からは、ゆっくりと夕陽が山の向こうに沈んでいく光景が見え、思わず声を漏らしてしまうほどの美しさでした。
季節とともに変わる木城町の天気と風景
私が訪れたのは初夏のころで、天気は快晴。青空に浮かぶ白い雲と新緑のコントラストが、まるで絵本の中に迷い込んだようでした。木城町は一年を通して穏やかな気候で、春には桜、夏にはホタル、秋には紅葉、冬には霧氷と、四季折々の表情を見せてくれる町です。
日中は少し汗ばむ陽気でも、木陰に入れば涼しい風が吹き抜け、心も身体もほぐれていくようでした。天気に恵まれた旅は、それだけで特別な思い出になります。
心に残る木城町のお土産たち
旅の終わりには、地元の物産館でお土産を購入しました。特におすすめなのは、「きじ味噌」と「ゆず胡椒」。家庭の食卓にもぴったりで、旅の余韻をいつまでも味わえます。また、木城町産の柚子を使ったジュースやジャムも香り豊かで人気です。
手に取るたびに、川の音、風の匂い、木々の揺れを思い出させてくれるようなお土産たち。モノというより“思い出”を持ち帰った気がしました。
ひとりだからこそ出会えた、心の静けさ
この旅で一番感じたことは、“ひとりだからこそ深く癒される”ということです。誰に気を遣うこともなく、自分のペースで自然と向き合う時間。それは、忙しい日々の中でつい忘れていた“自分自身を大切にすること”を思い出させてくれました。
警備員という仕事は、常に緊張感と責任が伴います。でも、こんなふうに木城町のようなやさしい場所に出かけることで、また新たな気持ちで日常に戻ることができるのです。
また戻ってきたくなる、木城町という場所
木城町は、観光名所としての派手さはないかもしれません。でも、だからこそ本当に大切なものがそこにあります。
静かな川の音。あたたかい食事。やさしい人々。そして、ふと見上げた空の美しさ。
福岡に戻った今も、ふと思い出すたびに心がじんわりと温まる。そんな旅になりました。
また、きっと戻ってきます。木城町で過ごした、何にも代えがたい癒しの時間を胸に抱いて——。
