春のある日、私は福岡市から少し遠出をすることにしました。日々の警備の仕事でたまった疲れを癒したくて、自然と温もりに触れられる場所を探していたところ、目に留まったのが茨城県ひたちなか市。名前に“ひたち”と“なか”があるこの街に、どこか親しみと穏やかさを感じたのです。
一人旅の始まりは、新幹線で東京まで出て、そこから常磐線に揺られながらのんびりと北上するルート。車窓から見える田園風景が次第に海の景色へと変わり、やがてひたちなか市に到着。そこには、ゆったりとした時間が流れる、心に優しい街が広がっていました。
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偕楽園を彷彿とさせる国営ひたち海浜公園の絶景
ひたちなか市でまず訪れたのが、国営ひたち海浜公園です。春のこの時期は、青いネモフィラが一面に咲き誇り、まるで空と地上が溶け合ったかのような幻想的な風景が広がっていました。
小高い丘を登ると、風が頬をなで、日差しが心地よく差し込んできます。周囲から聞こえる子どもたちの笑い声や、カップルたちの穏やかな会話。そんな中に、ぽつんと一人、警備服姿の私がベンチに座っている。その風景に、誰も違和感を持たず、むしろ馴染んでいるような感覚になったのが印象的でした。
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那珂湊おさかな市場で味わう海の恵み
旅の醍醐味といえば、やはり食です。ひたちなか市でのグルメ体験の中心は、那珂湊おさかな市場でした。
目の前に並ぶ新鮮な魚介類。その場で焼いて食べるホタテやハマグリ、握りたての寿司。中でも絶品だったのは、地元で獲れたアンコウの唐揚げ。外はカリッと、中はふわふわで、海の旨みが口いっぱいに広がりました。
地元の人たちの会話に耳を傾けながら、市場の賑わいと、人の温かさに触れる時間。それは日々の喧騒を忘れさせてくれる、心のごちそうでした。
穏やかな春の天気が生み出す心地よさ
ひたちなか市の春の天気は、とにかく穏やかで優しいです。風は少し冷たくても、日差しがしっかりと背中を温めてくれます。
海沿いの散歩道をゆっくりと歩きながら、波音と鳥のさえずりに耳を傾ける時間。晴れの日が続いていたこの旅では、青空と海の青さが一層美しく、心が洗われていくような感覚を味わえました。
旅の記憶とともに選んだお土産たち
旅の終盤には、ひたちなか市ならではのお土産を探しました。まず目に入ったのは、干しいも。茨城県は全国でも有数の干しいもの産地ですが、ここひたちなかの干しいもは特に甘くてしっとりとしており、食べた瞬間に「これは誰かにあげたい」と思えるほどの逸品でした。
ほかにも、那珂湊で買った魚の干物、海藻を使った佃煮、そして地元のクラフトビールなど、どれも旅の思い出を詰め込んだような優しい味がしました。
一人旅だからこそ感じられた温もり
このひたちなか市の旅で、改めて感じたのは、一人旅の素晴らしさでした。誰かと話すわけではないけれど、人の声や景色、香りや味に、そっと心を預けることができる。
福岡から遠く離れたこの地で、私はただ、ありのままの自分でいられたような気がします。仕事を離れ、肩の力を抜いて、心のままに歩く。それができたのは、ひたちなか市が与えてくれた「癒し」の空気のおかげです。
また、いつか訪れたい。今度は季節を変えて、また違う表情のひたちなか市に出会いたい。そんな風に思える旅でした。