福岡からふらりと向かった唐津の朝
私は福岡市に住む中年の警備員です。日々の仕事に追われる中、時折感じる心の疲れ。その重さをふと軽くしてくれるのが、一人きりの小さな旅です。今回は電車に揺られてわずか1時間ほど、佐賀県唐津市へ足を運びました。唐津という町の名はよく耳にしていましたが、じっくり訪れるのは今回が初めてです。
国内旅行の格安予約なら【ビッグホリデー】
朝の唐津駅に降り立つと、澄みきった空気と、どこか懐かしさを感じさせる町のたたずまいが出迎えてくれました。天気は快晴。唐津湾から吹き抜ける潮風が、心の中までそっと通り抜けていくようでした。
海と城と空が調和する唐津城の癒し
最初に向かったのは唐津城。青空にそびえる白亜の天守閣は、まるで絵本の一ページのような美しさでした。松浦川を渡る風に吹かれながら、天守から眺める唐津湾の絶景は、ただただ言葉を失うほどです。展望台から見える鏡山の連なりもまた風情があり、しばしベンチに座って静かな時間を味わいました。
城内には、唐津の歴史や伝統工芸が紹介されていて、旅人としても市民としても心が豊かになるひとときでした。
エアトリ国内ツアー
呼子の朝市で出会ったやさしい味と人情
次にバスで向かったのは呼子町。目的はもちろん呼子の朝市です。露店には新鮮なイカや魚介、手作りのお菓子が並び、どこか懐かしさを感じさせます。地元の方がにこやかに話しかけてくれて、「一人旅?」と声をかけられ、自然と笑顔になりました。
名物の「呼子のイカ刺し」は、透明でぷりぷりの食感。口に入れた瞬間、潮の香りと共に、素材の甘さが広がります。イカしゅうまいもまた絶品で、唐津の味の奥深さを体感しました。
鏡山展望台から見渡す海と緑のパノラマ
お腹を満たしたあとは、鏡山展望台へ。山道をバスと徒歩で登る途中、木々の間から差し込む光と鳥のさえずりに、自然と呼吸が深くなっていくのを感じました。展望台にたどり着くと、そこには唐津湾と虹の松原、青い空と緑の山が織りなす絶景が広がっていました。
この瞬間のために旅をしているのだなと、しみじみ感じながら、ベンチに腰を下ろして風に身を任せました。心の深い部分が、ゆっくりと解けていくような時間でした。
唐津焼のぬくもりをお土産に
唐津の旅の最後は、お土産探し。唐津焼のギャラリーを巡り、手に取った湯呑みにほっと心が和らぎました。一点一点に、職人の息遣いが宿っているようで、自宅でのお茶の時間が楽しみになりました。
ほかにも、呼子の干物、地元の銘菓「松露饅頭」、唐津の地酒など、家族や職場へのお土産も豊富。手にした品々に、旅の思い出が重なります。
福岡からの日帰りルートも充実
今回の旅は、福岡市内の自宅からJR筑肥線に乗り、唐津まで約1時間。唐津城や呼子、鏡山など、主な名所はバスや徒歩で回れる距離にあります。時間があれば、虹の松原をのんびり歩くのもおすすめです。日帰りでも十分に楽しめますが、泊まりで温泉旅館に滞在すれば、もっとゆったりとした時間を味わえそうです。
心をそっと癒してくれた唐津の一日
唐津の町は、派手さはないけれど、どこか人懐っこくて、あたたかくて、そしてとても静かです。そんな空気に包まれたこの一人旅は、心の奥に優しい風を吹き込んでくれました。
警備員という仕事は、時に緊張の連続です。でも、こうして自然と歴史に触れ、優しい人々と交わり、美味しいものを味わうことで、また明日から前向きに働ける気がしています。
唐津は、日常に疲れた心をそっと癒してくれる、そんな場所でした。次はぜひ、ゆっくりと泊まって、夜の唐津の空気も味わってみたいと思います。