石段の街で心がほどける群馬県伊香保町の癒し旅
福岡市で警備員として働く私は、日々の忙しさに追われる生活の中で、ふと「ゆっくりと何も考えずに歩ける場所に行きたい」と思いました。そんな想いに導かれて選んだ旅先は、群馬県の伊香保町。歴史ある温泉地でありながら、どこか素朴で懐かしい雰囲気が漂うこの町は、訪れる人を優しく包み込んでくれるような場所でした。
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心をほどく旅の始まりは伊香保温泉の石段街から
伊香保町といえば、やはり有名なのは「石段街」。365段ある石段は、上へ登るごとに少しずつ景色が変わり、旅の期待が高まっていきます。両脇には昔ながらの旅館やお土産屋、カフェが軒を連ね、どこか昭和の香りが残る懐かしい雰囲気です。
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歩いているだけで、忙しない日常からふっと切り離されたような感覚になります。途中で立ち寄った足湯では、心地よい温かさが足元から体へと広がり、ふと深呼吸したくなるような穏やかな時間が流れていました。
黄金色に輝く名湯とやさしさに満ちた湯宿
伊香保温泉の最大の魅力は、やはりその「黄金の湯」。鉄分を多く含んだ茶褐色の湯は、古くから湯治場として親しまれてきた名湯です。町の中心には「伊香保露天風呂」があり、自然の中での入浴は格別の癒し。山の緑に囲まれ、鳥のさえずりを聞きながら、湯けむりの中で静かに目を閉じると、時間が止まったかのような感覚に包まれます。
宿泊した湯宿も、従業員の方々の優しい笑顔が印象的でした。手書きのメッセージ、地元の花を飾ったロビー、小さな気遣いのひとつひとつが、まるで遠い親戚の家に泊まりに来たような安心感をくれました。
心と体にしみる伊香保の郷土料理たち
旅のもう一つの楽しみといえば、やはりその土地の料理。伊香保では、地元群馬の山の幸や川魚を活かした優しい味わいの料理が並びます。
「おっきりこみ」は群馬の定番。幅広の手打ち麺を野菜たっぷりの醤油ベースで煮込んだ、どこか懐かしい味の鍋料理。身体の芯から温まり、気づけば自然と笑みがこぼれていました。
また、「いわなややまめの塩焼き」も格別でした。旅館の囲炉裏でじっくりと焼かれた川魚は、香ばしさと身のほろほろ感が絶妙で、お酒が進みます。地元の地酒と一緒にいただけば、まさに至福のひとときです。
伊香保の空と風が教えてくれる季節の彩り
私が訪れたのは春と初夏の境目。伊香保の空は澄んでいて、山から吹く風は少し冷たく、それがまた心地よかったです。石段街から少し足を延ばせば、「伊香保グリーン牧場」や「河鹿橋」など、自然に触れられる場所も豊富にありました。
特に「河鹿橋」は、新緑が美しく、木漏れ日の中でゆっくりと歩くとまるで絵本の中にいるような気分に。秋には紅葉が、冬には雪景色が広がるとのことで、季節ごとに何度でも訪れたくなる魅力にあふれています。
手に取るたびに思い出がよみがえる伊香保のお土産たち
旅の終わりには、お土産選びも大切なひとときです。伊香保には温泉地らしい「湯の花」や「温泉まんじゅう」、そして「伊香保石けん」など、癒しを持ち帰ることができるアイテムが充実しています。
私は、職場の仲間には温泉まんじゅうを、自分用には「黄金の湯入りバスソルト」を選びました。自宅のお風呂で草津の香りを再現しながら、旅の記憶を少しずつ味わうのが、これからの楽しみです。
福岡から伊香保までの旅路もまた癒しの一部に
今回の旅は、福岡空港から羽田空港へ、そこから新幹線で高崎駅まで。高崎からはローカル線とバスを乗り継いで伊香保温泉へと向かいました。乗り換えは多いものの、その分、旅している実感が湧き上がります。移動中に見える山々の風景や、町の小さな駅に降り立つワクワク感も、この旅の癒しの一部でした。
伊香保町は、静かに自分を取り戻せる場所
伊香保町は、喧騒から少し離れて、心の奥深くまで癒してくれる場所です。福岡で警備の仕事に励む私にとって、この町は「立ち止まることの大切さ」を教えてくれました。温泉に浸かり、ゆっくりと料理を味わい、季節の風を感じる——そんな当たり前の時間が、どれほど贅沢なことだったのか、改めて気づく旅となりました。
またきっと、この石段の街に帰ってきます。そのときには、また少し成長した自分でありたいと思いながら、伊香保の空に手を振りました。