忙しさを忘れて一人になれる場所を求めて
福岡市で警備員として日々働く私にとって、仕事の合間に感じる「静かな時間が欲しい」という思いは、年々強くなってきました。夜勤と日勤を繰り返しながら過ごす毎日は、どこか自分自身を置き去りにしているようで、心も体も少しずつ疲れていきます。そんな時、ふと目に留まったのが、青森県つがる市という名前でした。日本海に面し、自然と歴史が息づくこの地で、自分自身を取り戻すような時間が過ごせるのではないか。そんな思いを胸に、一人旅を決意しました。
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風と大地に包まれるつがる市の観光名所たち
つがる市に足を踏み入れてまず向かったのは、「ベンセ湿原」です。広大な原野に咲くニッコウキスゲの群生は、まさに幻想的。風に揺れる花々と、遠くに広がる空と山の景色を見ていると、心の奥がすーっと軽くなっていくのを感じました。福岡ではなかなか味わえないスケールの大自然に、思わず言葉を失いました。
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その後、「つがる地球村」へも立ち寄りました。広い敷地に温泉やコテージ、アクティビティ施設が整っており、どこか「地球に抱かれている」ような感覚になります。特に森の中の遊歩道は静寂そのもので、鳥の声や木々のささやきがまるで子守唄のように響きます。
さらに、「縄文遺跡群・亀ヶ岡石器時代遺跡」にも足を運びました。ここでは縄文時代の生活の痕跡に触れることができ、時間の流れを超えて人の営みを感じることができます。遺跡を歩きながら、現代の喧騒から離れたこの空間で、人間の本来のリズムを取り戻せるような感覚がありました。
身体の芯からほっとするつがる市の郷土料理
旅の楽しみのひとつは、やはり食です。つがる市の郷土料理は、どれも素朴で、でも深い味わいがあります。まず味わったのは「けの汁」。根菜を細かく刻んで煮込んだこの汁物は、見た目は地味ですが、その優しい味わいは心の奥にまで染み渡るようです。まるで昔どこかで食べたような懐かしさに包まれました。
また、地元で水揚げされた新鮮な魚介類も絶品でした。特に日本海で獲れたイカのお刺身は、コリコリとした食感と甘みがたまりません。温泉に浸かった後に、地酒と一緒に味わうこの幸せは、まさに「癒しの極み」でした。
思い出とやさしさを持ち帰るお土産たち
旅を締めくくるお土産選びも、つがる市では楽しいひとときです。まず手にしたのは「亀ヶ岡式土偶」のミニチュアレプリカ。古代の人々が願いや祈りを込めたその姿は、今でも不思議な力を放っています。職場のデスクに飾れば、また頑張ろうという気持ちになれそうです。
また、青森県といえばやはり「りんご」。つがる市で採れたりんごを使ったジャムやジュース、パイなどもお土産にぴったりです。どれも添加物の少ない、自然の甘みが感じられるものばかりで、家族や同僚にも喜ばれました。
そして、地元の工芸品「こぎん刺し」を使った小物も心惹かれました。落ち着いた色合いのポーチやハンカチは、日常に優しさを添えてくれる存在です。
福岡市からつがる市への癒しの旅路
福岡からつがる市までは、飛行機で青森空港まで約2時間。そこからレンタカーを使って約1時間半の道のりです。長い道中に感じるかもしれませんが、その道のりこそがすでに癒しの旅の一部です。青森空港からつがる市に向かう車窓には、雄大な自然と人の営みが溶け合った風景が広がり、次第に心が静まっていくのを感じます。
途中で地元の直売所に立ち寄ったり、田園風景の中で小さなカフェを見つけてコーヒーを飲んだりと、寄り道もまた旅の醍醐味です。
心を空にして、自然にゆだねる時間
つがる市の旅で私が感じた最大の癒しは、「何もない時間」の豊かさでした。観光名所を巡ることも、料理を楽しむことも、お土産を選ぶことも、それぞれが心を満たしてくれるのですが、ただ何も考えずに空を見上げ、風に吹かれる時間こそが、日々の疲れをそっとほどいてくれたのです。
福岡に戻ってからも、つがる市の風景や空気、やさしい人々の笑顔は、ふとした瞬間に思い出されます。そして「また行きたい」と思える場所があることは、それだけで心を強くしてくれます。
つがる市は、心の奥にそっと寄り添ってくれるような、そんな場所でした。毎日を頑張っている誰かに、静かな時間と癒しを届けてくれるこの町を、ぜひ訪れてほしいと思います。