静かな山あいに広がる、鳥取県日野町。
喧騒から逃れたいと思い、福岡市からふらりと出かけた一人旅の行き先に、この場所を選びました。
派手な観光地ではありませんが、そのぶん、日野町には心がほぐれるような時間が流れていました。警備員として日々の緊張と責任の中で働く自分にとって、この町はまるで時間がやさしく寄り添ってくれるような場所でした。
JR根雨駅からはじまる静かな物語
旅のスタートはJR根雨(ねう)駅。
ローカル線の小さな駅舎は、まるで昔話に出てくるようなあたたかさに包まれていました。駅前のベンチに腰を下ろすと、澄んだ空気が胸いっぱいに入ってきて、それだけで癒される気がします。
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歴史と神秘に満ちた「金持神社」への参拝
日野町の有名なパワースポット「金持神社(かもちじんじゃ)」へ。
名前の縁起の良さに惹かれて訪れたこの神社は、金運アップだけでなく、心の安定を願う人々にも愛されている場所です。
木々に囲まれた参道をゆっくり歩くと、葉の揺れる音と鳥のさえずりが耳に届き、心が自然と静まっていきます。
神社の社務所で手に入れたお守りをポケットに入れて、ふと自分の足取りが軽くなっていることに気づきました。
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「日野川」のせせらぎと歩く、川沿いの癒し散歩
神社の帰りに立ち寄った日野川。
穏やかな水の流れを見ながら、しばらくベンチでぼんやりと過ごしました。
川沿いを歩くと、ところどころに地元の人が大切に育てている花壇や、昔ながらの民家が並びます。
川のせせらぎと風の音だけが聞こえる、そんな静かな時間が、この旅の中で一番の癒しになった気がします。
郷土料理「ひの鍋」と地元野菜の素朴なごちそう
昼食には、地元の食事処で「ひの鍋」をいただきました。
山の幸がたっぷり入ったこの鍋は、シンプルながら深い味わい。地元の味噌と出汁の優しさが、心と身体にじんわり染み込みます。
添えられたお漬物やご飯も美味しく、普段は食にあまり感動しない私も、自然と笑顔がこぼれていました。
日野町は高原野菜が有名で、どの料理も野菜の味が引き立っていました。
歴史感じる「旧日野上小学校郷土資料館」で心の旅
午後には、旧日野上小学校を利用した郷土資料館へ。
古い木造校舎の廊下を歩くと、どこか懐かしい気持ちになります。
展示されている昔の農具や生活用品を見ながら、日野町の人々がどんな暮らしをしてきたのかを想像する時間は、旅のスパイスになります。
ふと、地元の子どもたちの笑い声が聞こえてきそうな気がして、胸が温かくなりました。
道の駅「にちなん日野川の郷」で出会ったお土産たち
旅の締めくくりは、道の駅「にちなん日野川の郷」。
ここでは、地元で採れたブルーベリーや、手作り味噌、日野町の特産品であるしいたけを使った加工品などが並びます。
私は、自分用にブルーベリージャムと、家族には「金持米」と書かれた縁起の良いパッケージのお米を買いました。
店員さんとのちょっとした会話にも、地域の温もりを感じて心が満たされました。
福岡からのルートと小さな冒険の価値
福岡市から日野町への旅は、まず新幹線で岡山まで行き、そこから伯備線で根雨駅まで。乗り継ぎこそ多いですが、旅そのものが目的の私にとっては、それすらも楽しみのひとつでした。
途中の車窓から見える景色や、乗り合わせた人たちとのふとしたやりとりが、この一人旅をより深いものにしてくれた気がします。
静けさの中にある確かな癒し
日野町には、観光地らしい派手さはありません。でも、だからこそ、自分とゆっくり向き合える場所でした。
自然の音、地域の人のやさしさ、そして素朴であたたかな料理。
忙しい毎日に追われる中年の警備員としての私にとって、この旅は忘れられない宝物になりました。
日野町は、心をやさしく包み込んでくれる場所です。疲れた心を癒したいすべての人に、そっとおすすめしたい町です。