福岡市に住む警備員が一人で訪れた、埼玉県さいたま市で見つけた心安らぐ旅
夜勤明けの朝、制服を脱ぎ捨てるように旅に出たくなりました。そんなときふと地図を見つめて選んだのが、「さいたま市」でした。関東の中心にありながら、どこか落ち着きがあり、歴史や自然、そして人の温もりが感じられる場所。今回は、福岡市に住む中年の警備員である私が、ひとり静かに過ごした埼玉県さいたま市の癒しの旅をご紹介します。
歴史と自然に包まれる武蔵一宮氷川神社の朝
旅の始まりは、やはり神社から。私がまず足を運んだのは、武蔵一宮氷川神社です。さいたま市の中心部にありながら、境内には驚くほどの静けさと清らかな空気が漂っていました。鳥居をくぐり、まっすぐに伸びる参道を歩くと、木々の間から朝日が差し込み、まるで心を洗い流すような感覚になります。ここでは、普段の緊張感や疲れがふわりとほどけていくのを感じました。静かに手を合わせる時間、それだけで癒されていく自分がいました。
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大宮公園でゆったり過ごす昼下がりのひととき
氷川神社の参拝を終えて、そのまま大宮公園へと足を運びました。春は桜、秋は紅葉、季節によって彩りが変わるこの場所は、地元の人々にとっても憩いの場です。池のほとりのベンチに座って、ただ風の音を聞いて過ごす昼下がり。こういう時間が、一番贅沢なのかもしれません。子どもたちの笑い声や散歩するご夫婦の穏やかな表情を見ているだけで、心が穏やかになっていきます。
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宿で過ごす、静けさと木の香りに包まれた夜
今回の宿は、さいたま市内にある和モダンな雰囲気の隠れ家的宿泊施設を選びました。大通りから少し離れた静かな住宅街の中にあるこの宿は、木の香りがする和室に心が落ち着き、窓から見える中庭の灯りが幻想的でした。館内にある小さな温泉で湯に浸かりながら、目を閉じて呼吸を整えるひととき。日々の忙しさから解き放たれ、ようやく「何も考えない」という贅沢を味わうことができました。
さいたまの味を堪能する贅沢な夕食
宿の夕食では、さいたま市ならではの食材を活かした料理が並びました。特に感動したのが、武州和牛の陶板焼き。柔らかく旨味の深い肉に、地元の新鮮な野菜を添えていただく一皿は、心にも体にもじんわりと沁みました。また、さいたまヨーロッパ野菜と呼ばれる珍しい洋風野菜を使ったサラダも、彩りが豊かで優しい味わいでした。日頃はコンビニ弁当で済ませてしまう食事が多い私にとって、この一食はまるでご褒美のようでした。
地元の酒蔵で味わう、やさしい地酒の余韻
食後にいただいたのは、さいたま市の酒蔵で造られた地酒「天覧山」。透明感のある味わいと、まろやかさのバランスが絶妙でした。静かな部屋で一人、ゆっくりと盃を傾ける時間。その酒の香りが、日々の疲れを癒してくれるようでした。誰にも急かされない夜は、心がじんわりとあたたまります。
旅の終わりに選んだ、ぬくもりあるお土産たち
旅の締めくくりは、地元の商店街を歩きながらのお土産選び。私が選んだのは、さいたま市の和菓子屋で手作りされている「最中」や「おこし」、そして陶器の湯のみ。どれも手作りの温もりが感じられる品々で、自分へのささやかな贈り物として大切に持ち帰りました。旅の思い出が、形として残る。それだけで、また頑張ろうと思えるのです。
移動ルートはゆったりシンプルに
今回の旅は、福岡空港から羽田空港まで飛行機で。そこから東京駅へ出て、上野東京ラインに乗って大宮駅まで直通で移動しました。新幹線を使わずとも、スムーズにさいたま市へアクセスできます。旅の時間を急がず、ゆったりと進めることで、心にも余裕が生まれました。
さいたま市で過ごした時間が、心の栄養になる
警備という仕事は、常に気を張る日々の連続です。誰かの安全を守る仕事に誇りを持ちながらも、知らず知らずのうちに心が擦り減っていることもあります。そんな私にとって、埼玉県さいたま市での一人旅は、自分自身を見つめ直すための大切な時間となりました。静けさ、美味しさ、やさしさ、すべてが穏やかであたたかくて、まるで自分自身を抱きしめてもらったような感覚でした。
またいつか、あの神社の参道を歩きたいと思います。静かにただそこにいるだけで、癒される街。さいたま市は、そんな不思議な力を持つ場所でした。疲れたとき、またこの街に戻ってきたいと、心からそう思います。
