はじめに
忙しい毎日の中で、ふと自分の心の声に耳を傾けたくなることがあります。福岡市で警備員として働く私は、日々の緊張感の中で、心と体をリセットするための旅に出ることを決意しました。今回の目的地は石川県かほく市。能登半島の付け根に位置し、自然と人情が静かに息づくこの町には、地震という試練を乗り越えた温かさと力強さがありました。
静かな海辺の町で感じる癒し
かほく市に到着して最初に訪れたのは、白尾海水浴場です。砂浜に立ち、波の音に包まれながら空を見上げると、日常の喧騒が少しずつ遠のいていくのを感じました。観光地として派手な装飾こそないものの、この海辺の素朴さが心に沁みます。
また、七塚中央公園にも足を運びました。広々とした芝生とゆるやかな遊歩道を歩いていると、季節の花々が優しく出迎えてくれます。子どもたちの笑い声が響く中、地元の人々が語る震災後のエピソードには胸を打たれました。「大変だったけど、また笑える日が来た」と話す姿に、人の強さと希望を感じずにはいられません。
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温かなもてなしの宿に泊まって
今回の宿泊先は、海に近い静かな民宿「海音(うみね)」です。木造の落ち着いた雰囲気で、女将さんが出迎えてくれました。「遠いところからありがとう」と言われ、旅人としてではなく家族のように迎え入れてくれる姿勢に心がほぐれます。
夜には地元の食材をふんだんに使った夕食が並びました。とれたての甘エビのお刺身や、加賀野菜を使った煮物、小ぶりながら脂がのったノドグロの塩焼きなど、どれも優しく丁寧な味わいでした。
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地酒とともに味わう地元の恵み
食事と一緒にいただいたのは、石川県の地酒「加賀鳶(かがとび)」です。キリッとした辛口ながら、どこか温かみを感じる風味が、旅の疲れを癒してくれました。宿のご主人が「震災の時も、これを飲んでみんなで励まし合ったんです」と話してくれたのが印象的でした。
お土産選びも旅の楽しみのひとつ
かほく市内の道の駅「高松」では、お土産選びを楽しみました。地元産の干物や加賀野菜を使ったお漬物、そして小さな酒造が作る限定酒など、持ち帰りたくなる品々が並んでいます。私は、震災支援のメッセージが添えられた手作りの布小物を選びました。作り手の優しさが伝わる温もりある一品です。
旅のルートと心の変化
今回の旅は、金沢駅からJR七尾線で宇野気駅へと向かい、そこからはレンタカーで市内を回るルートにしました。道中は静かで走りやすく、移動そのものが心を落ち着かせる時間でした。
旅の終わりには、かほく市役所近くのカフェでコーヒーを飲みながら、この旅を振り返りました。震災という過酷な現実の中でも、前を向き続ける人たちの姿と出会い、自分もまた強く優しくありたいと感じるようになりました。
おわりに
福岡市で警備員として働く私が、石川県かほく市を訪れて感じたのは、自然の美しさだけではありませんでした。そこには、人の温もりと、試練を乗り越えるたくましさ、そして旅人を包み込む優しさがありました。この旅は、心の奥深くに灯る小さな希望の光を見つける旅でもありました。
またきっと、かほく市を訪れたいと思います。次はもっとゆっくりと、もっと深く、この町と向き合いたいと願いながら。