石川県白山市で心を洗い、明日を生きる力をもらった福岡の警備員の一人旅
福岡市で警備の仕事をしている私は、交代制勤務の合間を縫って、ふと一人で旅に出ることがあります。日々の緊張感から少し距離を置き、静かな土地で自分を取り戻す時間。それが私にとっての“癒し”です。
今回の旅先に選んだのは石川県白山市。加賀と越中を結ぶ白山比咩神社や、手取峡谷、そして白山連峰の雄大な自然。加えて、2024年の能登半島地震後も前を向き、日々の暮らしを大切にしている人々の姿に、深く心を打たれた旅でもありました。
白山比咩神社で出会う神聖な空気と心の静けさ
白山市のシンボルとも言える白山比咩神社(しらやまひめじんじゃ)は、全国にある白山神社の総本宮。私は朝早くに訪れました。鳥居をくぐった瞬間、凛とした空気が全身を包み、日々の喧騒が一気に遠ざかるようでした。
境内には、地震の復興を願って奉納された絵馬も多く見られ、そこには地元の人たちの「日常を守りたい」という静かな決意が込められていました。祈るように手を合わせるその時間は、自分自身の内面と向き合う貴重なひとときでした。
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手取峡谷で感じる自然の力強さと癒し
次に向かったのは手取峡谷。石灰岩が長い年月をかけて浸食されたダイナミックな景観と、清らかな手取川の流れが目の前に広がります。展望台からの眺めは圧巻で、自然の偉大さと、それに包まれる心地よさを全身で感じました。
遊歩道をゆっくり歩きながら、川のせせらぎに耳を傾ける時間は、日頃の疲れや不安を静かに流してくれました。震災の影響で一部通行止めだった箇所も、地域の方々の尽力で安全が確保されており、訪れる者として頭が下がる思いでした。
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辰口温泉で出会った人のぬくもりと再生の力
宿泊先に選んだのは、白山市から車で20分ほどの辰口温泉の老舗旅館。ここも地震の際には一部被害があったとのことですが、館内は美しく整えられており、温泉の質の高さと旅館スタッフの心遣いに癒されました。
地元のおかみさんと話す機会があり、「私たちは大丈夫です、でも忘れないでほしいのは隣の町の苦しみです」と静かに語られた言葉が胸に残りました。復興は、被災した場所だけのものではなく、地域全体で支えるものなのだと気づかされた瞬間でした。
加賀料理と地元の恵みに舌鼓を打つ夜
旅館の夕食では、白山市の旬の食材をふんだんに使った加賀料理が並びました。特に、白山麓で採れた山菜の天ぷら、石川県産ののどぐろの塩焼き、そして味わい深い加賀蓮根の煮物は絶品でした。
料理に合わせて提供されたのは、地元の銘酒「菊姫」や「手取川」。どちらも石川を代表する地酒で、料理の味をさらに引き立ててくれました。震災で一時出荷停止となった蔵も、地域の支えを受けて再稼働しているとのことで、味わいながら胸が熱くなりました。
お土産は、町の想いを持ち帰ること
旅の終わりには、白山市内の道の駅「しらやまさん」でお土産探し。九谷焼の小皿や加賀棒茶、白山麓のハチミツなどが並ぶ中、私は復興支援ラベルが貼られた加賀棒茶を選びました。
「このお茶を買ってくれることが、地域の元気につながるんです」とスタッフの方に声をかけられ、改めて“旅でできる支援”という形を実感しました。自分にできる小さな一歩を、今後も続けていきたいと思いました。
一人旅のルートとアクセスについて
今回の旅のルートは以下のような形で組みました。
福岡空港から小松空港へ(飛行機で約1時間半)
小松空港から白山市まではレンタカーで約30分(または金沢駅経由の公共交通機関でも可能)
白山比咩神社 → 手取峡谷 → 辰口温泉 → 白山市街 → 道の駅しらやまさん
移動はシンプルで、全体的にゆったりとしたペースで旅を楽しめました。大自然に癒されつつ、地元の人々と触れ合うことで心も満たされるルートです。
震災を乗り越える土地で見つけた、前を向く勇気
石川県白山市の旅は、ただ観光を楽しむだけのものではありませんでした。能登半島地震を経て、地域全体が復興に向けて歩み出している今、その空気を肌で感じることができたことが、私にとって一番の収穫でした。
人は強い。そして、自然は包み込んでくれる。
そんな想いを胸に、また日常に戻り、福岡での仕事に向き合っていこうと思います。
この白山市での旅が、どこかで同じように疲れている誰かの背中をそっと押すような存在になれれば幸いです。