福岡の警備員の一人旅No.167 福岡市に住む警備員の一人旅で訪れた石川県能美市で見つけた震災を乗り越える勇気と心癒される観光名所と温もりある宿と味わい深い料理と地酒と忘れられないお土産と巡る旅の記録

旅行

震災を超えて輝きを取り戻す石川県能美市で過ごした心の旅

福岡市で警備員として働く私は、日々の勤務で積もる疲れやストレスを、時折の一人旅でリセットしています。今回の旅先に選んだのは、石川県能美市。2024年の能登半島地震では、直接的な被害を受けた地域ほどではないものの、周辺地域として観光や生活への影響も少なくありませんでした。

それでも、能美市の人々は前を向き、美しい景色と文化を守りながら、訪れる人々を温かく迎えてくれます。そんな「強さ」と「癒し」が同居する能美市での一人旅を振り返ります。



九谷焼と加賀の伝統が息づく町を歩く

能美市といえば、まず思い浮かぶのが「九谷焼」の産地であることです。私はまず「九谷陶芸村」へ足を運びました。ここでは色鮮やかで繊細な器たちが所狭しと並び、職人の技と歴史が詰まった空間に身を置くことで、自然と背筋が伸びるような感覚になりました。

工房見学では、震災後も変わらぬ情熱で創作に励む作家の方と話すことができ、「こういう時代だからこそ、美しいものを作り続ける意味がある」と語ってくれました。その言葉は、心の奥に強く残っています。



国内旅行の格安予約なら【ビッグホリデー】

能美市の自然に癒される贅沢なひととき

市内には静かで美しい自然も点在しています。辰口丘陵公園では、ゆるやかな起伏の丘に広がる芝生や小道を散策しました。春先は桜、秋には紅葉が見事とのことで、今回は新緑の中を歩きましたが、心が洗われるような時間でした。

また、「いしかわ動物園」にも立ち寄りました。家族連れの中に混じって、ひとりで動物たちと向き合う時間もまた新鮮です。震災後、一部の施設は休園していましたが、今では再開し、地域の活力を取り戻しつつあります。



格安国内ツアーなら!エアトリ国内ツアー

温泉宿で過ごす心と体のリセットタイム

今回宿泊したのは「辰口温泉まつさき」。創業百年を超える老舗旅館で、震災の影響もあり一時は営業を見合わせていましたが、地域の力で再開され、今も多くの旅人を迎えています。

宿の露天風呂から望む庭園は手入れが行き届いており、湯の温もりと自然の美しさに心から癒されました。従業員の方々の丁寧な接客も印象的で、「この町に来てよかった」と思わせてくれる瞬間が随所にありました。



能美市の食文化は五感を満たす地元の恵み

夕食は、加賀野菜と新鮮な魚介をふんだんに使った会席料理。特に「加賀れんこん」を使った料理や「のどぐろの塩焼き」は、見た目も味も格別でした。食事の途中、地元のお米「ひゃくまん穀」で炊かれたご飯の美味しさにも驚かされました。

また、朝食には加賀味噌で作られた味噌汁と、地元で採れた野菜をふんだんに使った小鉢が並び、朝から贅沢な気分にさせてくれます。



地元で愛される日本酒と焼酎に舌鼓

能美市とその周辺には、小規模ながらも個性豊かな酒蔵があります。私は「菊姫」や「手取川」などの地酒をいただきました。芳醇で香り高く、料理との相性も抜群です。

旅館ではスタッフの方が丁寧に説明してくださり、「震災の後も変わらずこの味を届けられるように頑張っている」と語ってくれました。その想いに触れながら味わうお酒は、また格別なものでした。



心に残る能美市のお土産たち

旅の最後には「道の駅しらやまさん」へ立ち寄りました。ここでは地元産の野菜や、九谷焼の小皿、加賀棒茶などが販売されており、自分用にも友人用にもぴったりなお土産が揃っています。

特に印象に残ったのが「能美市限定パッケージの加賀棒茶」。香ばしく、柔らかな味わいが、帰宅後も旅の余韻を思い出させてくれます。



旅のルートとアクセスについて

今回の一人旅のルートは以下の通りです。

福岡空港から小松空港へ(飛行機利用)

小松空港から能美市へは、レンタカーまたはバス移動(約30〜40分)

飛行機と公共交通機関、どちらを使ってもアクセスしやすく、無理のない行程でゆったりと旅を楽しめました。



復興を応援する気持ちを込めた旅の終わりに

能登半島地震の影響は広い範囲に及び、能美市もまた観光業や地域のつながりにおいて多くの課題を抱えました。それでも、町の人々は明るく、前向きで、旅人を温かく迎えてくれます。

この旅を通じて、私はただ観光を楽しむだけでなく、少しでも復興の力になれたのならと願うようになりました。そして、自分自身もまたこの町の静けさや人のぬくもりに励まされていたのだと気づきました。

また季節を変えて、能美市を訪れたい。そんな思いを胸に、福岡への帰路につきました。

この旅は、忘れられない心の糧となりました。