静けさを求めて 長野県白馬村へ 福岡市の警備員が選んだ癒しの一人旅
福岡市で警備員として働く私は、日々の緊張感の中でどこか心が張りつめているような感覚を抱えていました。仕事柄、常に周囲に気を配り、神経を研ぎ澄ませる毎日。ふと「自然の中で、何も考えずに過ごしたい」と思うようになり、旅の候補地を探していた時に目に飛び込んできたのが、長野県白馬村でした。
真っ白な雪山の写真、美しい緑の森、小川のせせらぎ。その風景が心をすっと吸い込んでくれたような気がして、私は迷わず旅先に白馬村を選びました。福岡空港から羽田を経由して新幹線で長野駅へ、そこからは大糸線に乗り換え白馬駅へ向かう旅。この道のりそのものが、日常から非日常へと心を解き放っていく導入のようでした。
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北アルプスに抱かれる絶景 白馬三山と澄んだ空気の中で深呼吸
白馬村に到着して最初に感じたのは、空気の透明さでした。福岡では感じられない、キリッとした冷たさと柔らかな風が肌を撫でる感覚。目の前には白馬三山の壮大な姿がそびえ、まるで「おかえり」と言ってくれているような包容力に胸が熱くなりました。
八方尾根へ向かうゴンドラに乗り、標高の高い展望スポットへ。そこから見渡す景色は、ただただ圧巻の一言。青と白と緑が織りなす大自然のキャンバスに、心が完全に静まり返っていくのを感じました。山の上では風の音と鳥のさえずりだけが聞こえ、何も考えず、ただそこにいるだけで癒されていく時間が流れていきました。
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温泉宿で味わう静けさ 白馬の湯がほどく心と体のこわばり
宿泊先に選んだのは「白馬樅の木ホテル」。森の中にひっそりと佇む落ち着いた宿で、まさに“静けさの宿”という言葉がぴったりな場所でした。チェックインを済ませてすぐに向かったのは、源泉かけ流しの露天風呂。雪が残る山を背景に、静かな湯けむりが立ちのぼる温泉は、それだけで心がゆるみます。
体の芯まで温まりながら空を見上げると、雲ひとつない青。目を閉じると、湯音と風の音しか聞こえません。警備という仕事柄、常に気を張っていた自分が、こんなにも無防備に、そして安心していられることに驚きと喜びを感じました。
信州の恵みを堪能する夜 白馬村ならではの優しい味わい
夕食には、信州の素材をふんだんに使った和会席が用意されていました。特に感動したのは、信州牛の炙りと、地元で採れた山菜の天ぷら。素材の味を大切にしながらも、ひと工夫された味付けがどこか懐かしく、体にすっと染み込んでいきます。
そこに合わせるのは、白馬村の酒蔵がつくる地酒「白馬錦」。すっきりとした味わいとほのかな米の甘みが、料理の味をさらに引き立ててくれます。ゆっくりと一口ずつ味わいながら、今日見た風景を思い返す夜。静かな時間の中で、心が少しずつほどけていくのを実感しました。
優しさが詰まったお土産 白馬村の風を持ち帰る
旅の終わりに立ち寄ったのは、白馬駅前のお土産店。そこには、白馬村ならではの素朴で優しい商品がたくさん並んでいました。まず目を引いたのは「白馬の森クッキー」。地元産の小麦と卵を使い、ひとつひとつ丁寧に焼かれたクッキーは、口の中にふわっと森の香りが広がるような不思議な味わいでした。
さらに、信州産のりんごを使った「りんごジャム」や、そば粉を使ったお菓子なども購入。そして何より嬉しかったのは、宿で出された「白馬錦」のミニボトルを見つけたこと。この旅の味と記憶を、そっと自宅に持ち帰れる贈り物になりました。
静けさの中にこそある本当の豊かさ 白馬村の旅で見つけた自分自身
旅の終わり、大糸線で再び長野駅へ戻る車窓から見えた山並みに、どこか名残惜しさを感じました。でもその一方で、「また戻って来よう」という確かな思いも心に浮かびます。
今回の白馬村の一人旅は、決して派手ではないけれど、ひとつひとつの瞬間が丁寧で、優しさに満ちていました。自然、温泉、料理、人々の温もり——そのすべてが、疲れた心と体にそっと寄り添ってくれるような時間でした。
おわりに
福岡市で忙しく働く中で、自分を取り戻せる場所を見つけることはとても大切です。長野県白馬村は、そんな“心の帰り道”をくれる場所でした。いつかまた、この景色と空気に包まれに行こうと思います。もし、あなたが今少し疲れているなら、白馬村を旅してみてください。そこには、きっとあなたの心にそっと寄り添ってくれる風景が待っています。
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