日々の喧騒から逃れて 長野県大町市へ心の休息を求めて
福岡市で警備の仕事をしている私は、日々の緊張感と忙しさに心も体も疲れきっていました。夜勤明けのぼんやりとした朝、ふと「静かな場所で、ゆっくり深呼吸したい」と思ったのです。そんなとき、目に入ったのが長野県大町市の風景写真でした。北アルプスの麓に位置し、山と湖、そして温泉がそろうその町に、癒しを求めて一人旅をすることを決めました。
福岡空港から羽田空港へ、そして新幹線で長野駅へ。さらに大糸線に揺られて、大町市へと向かうルートは、まるで「心をほどく準備」のようでした。電車の窓から見える山並みと田園風景が、旅の始まりにぴったりの穏やかな空気を運んでくれました。
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心がほどける観光名所 黒部ダムと木崎湖の静寂に包まれて
大町市に着いて最初に訪れたのは、「黒部ダム」。その圧倒的なスケールと、ダム湖の蒼く澄んだ水の美しさに、しばし言葉を失いました。放水の水しぶきが涼しく、マイナスイオンをたっぷり含んだ風が肌に優しく触れます。重機や技術の力で作られた巨大な人工物でありながら、周囲の大自然と見事に調和しており、「人と自然の共生」という言葉が胸に浮かびました。
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続いて訪れたのは「木崎湖」。湖畔に静かに広がる青い水面と、そよぐ風の音しか聞こえない穏やかな時間。ベンチに腰をかけて、ただ湖を眺めるだけで、不思議と心が軽くなっていきました。釣りを楽しむ人、キャンプをする家族、みんなが思い思いに過ごしていて、その空間すべてが優しさに包まれているように感じました。
自然と一体になれる温泉宿で深く癒される夜
今回の宿は、「くろよんロイヤルホテル」。黒部ダムにほど近い立地で、雄大な山々を眺めながらゆったりと過ごせる温泉宿です。到着してまず驚いたのは、ロビーから見える大町の山並み。まるで絵画のように静かで美しく、しばらく立ち尽くしてしまいました。
部屋は広々としていて木の香りが心地よく、窓の外には自然の風景が広がります。特に感動したのは、源泉かけ流しの温泉です。内湯も露天風呂も広々としていて、夜空を見上げながらゆったりと湯に浸かっていると、体の奥深くまで疲れが溶けていくようでした。
信州の恵みを味わう 郷土料理と地酒の至福のひととき
夕食には、大町市の旬の食材を活かした会席料理が並びました。信州牛の陶板焼き、地元の山菜を使った天ぷら、木崎湖で獲れた川魚の塩焼きなど、ひとつひとつが丁寧に仕上げられていて、まさに“心を満たす料理”でした。
そして欠かせないのが地酒。長野県の銘酒「大雪渓(だいせっけい)」は、大町市で生まれた清らかな水と米を使った名品です。すっきりとした口当たりで料理との相性も抜群。ぐい呑みを傾けるたびに、体の中まで温かくなっていきました。静かな夜、旅館の部屋で外の風の音を聞きながら飲む一杯は、まさに旅のご褒美でした。
優しい気持ちを持ち帰る 大町市ならではのお土産たち
旅の終わりに訪れた道の駅「ぽかぽかランド美麻」では、大町ならではの素朴なお土産が並んでいました。まず手に取ったのは、「信州そば」。地元のそば粉で作られた風味豊かな乾麺は、家に帰ってからも旅の余韻を楽しめる一品です。
また、「りんごバター」や「わさび漬け」など、信州らしい品々も魅力的でした。大町市の酒蔵で買った「大雪渓」のミニボトルは、自分へのささやかなプレゼント。旅の癒しを思い出させてくれる大切な宝物です。
帰り道もまた癒し 福岡への静かな帰路に想いを馳せて
旅の終わり、大町駅から再び長野駅、そして新幹線で東京を経由して福岡へ戻る道のりも、どこか優しく心に響く時間でした。普段はせわしなく感じる移動の時間さえも、今回ばかりは「余韻を楽しむひととき」に感じられました。
帰宅後、ふとした瞬間に思い出すのは、木々のざわめきや温泉の湯気、そして湖に映る夕陽の光景。大町市での一人旅は、私に「立ち止まる勇気」と「静けさの価値」を教えてくれました。
おわりに
福岡市で暮らす警備員としての日々の中で、こんなにも深く癒される旅ができるとは思ってもいませんでした。長野県大町市は、自然、温泉、料理、酒、そして人の温もりがそろった本物の癒しの地です。静かに、しかし確かに自分を取り戻せる場所。次の休みには、またこの町の空気を吸いに行きたいと、心から思います。