福岡の警備員の一人旅No.153 福岡市に住む警備員が静けさを求めて一人旅で訪れた長野県伊那市の美しい自然と癒しの観光名所と心に染みる宿と滋味深い郷土料理と地酒と優しいお土産と忘れられない旅行ルートのすべて

旅行

日常から離れて、静けさを求めて長野県伊那市へ

福岡市で警備員として働く私は、毎日街の喧騒と緊張感の中で過ごしています。人々の安全を守る責任のある仕事。やりがいはあるものの、ふと気がつくと心の奥に小さな疲れが積もっていました。そんなある日、ふと思い立ちました。「ひとり、静かな場所へ行ってみたい」と。

地図を眺めているうちに目に留まったのが、長野県伊那市という場所。中央アルプスと南アルプスに抱かれた、山あいの町。何かに呼ばれるように、私は伊那市への一人旅を決めました。



伊那谷を望む癒しの自然と絶景スポット

伊那市を訪れて最初に感じたのは、空気の違いです。ひんやりと澄んだ空気に包まれ、深呼吸をするたびに体の中が浄化されていくような感覚が広がります。最初に訪れたのは「高遠城址公園」。桜の名所として有名ですが、シーズンを外しても静かな佇まいと歴史の香りが心を落ち着けてくれます。風にそよぐ木々の音、足元を吹き抜ける柔らかな風。ここに立っているだけで、心のざわつきが少しずつほどけていきました。

続いて訪れた「みはらしファーム」は、地元の人々とふれあえる癒しの空間。広がる田園風景を眺めながらのんびりと過ごす時間は、まさに贅沢の極みです。



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心までほぐれる、山あいの一軒宿で過ごす夜

宿泊には、伊那市の郊外にある小さな温泉旅館「梅庵」を選びました。静かな山間に佇む木造の建物は、どこか懐かしく、祖母の家に帰ってきたような気持ちになります。部屋に入ると、障子越しにやわらかな光が差し込み、畳の香りが心を落ち着かせてくれました。

温泉は源泉かけ流しで、ややぬるめのお湯が長旅の疲れを優しく包み込んでくれます。湯船に体を沈め、目を閉じると、鳥のさえずりと木々のざわめきだけが聞こえてきます。都会では味わえないこの「音のない時間」に、私はいつの間にか眠るように癒されていました。



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地元の恵みに満ちた郷土料理の温もり

夕食には、信州の旬の食材をふんだんに使った懐石料理が並びました。中でも感動したのは、「ローメン」。羊肉と蒸し麺を炒めた独特の郷土料理で、にんにくの香りが食欲をそそります。素朴ながらも奥深い味わいがあり、一口ごとに地元の温かさを感じました。

さらに、信州サーモンの刺身、山菜のおひたし、味噌仕立ての野菜煮など、体にも心にも優しい料理が並びます。見た目にも美しく、ひと皿ひと皿から丁寧な心配りが伝わってきて、食事が「癒しの時間」になるという感覚を久しぶりに思い出しました。



地酒の香りとともに、夜は静かに更けていく

食後は、伊那谷で造られた地酒「今錦」を少しだけいただきました。口に含むと、米の旨味とふわりとした果実の香りが広がり、穏やかな酔いに包まれていきます。温泉上がりの体に、じんわりと染みわたる感覚。まさに至福のひとときです。

囲炉裏のある談話室で、静かに酒を楽しみながら、日々の喧騒や雑念が遠ざかっていく感覚。旅の本質はこういう時間にあるのかもしれない。そう思いました。



心の中に残る、お土産選びのひととき

旅の締めくくりには、伊那市の特産品を買い求めました。南信州産のりんごを使ったジャムや、手作りの味噌、ローメンのレトルトパックなど、どれも帰宅してからも伊那を思い出せるアイテムばかりです。

また、地元の木工職人が手掛けた箸や小物入れもあり、温かみのある手触りがとても印象的でした。お土産を選ぶ時間さえも、どこかゆっくりと流れ、旅の余韻を噛みしめるようでした。



ゆったりと流れる旅のルートも癒しの一部

福岡空港から名古屋空港まで飛び、そこからはJR中央本線で伊那市へ。特急列車に揺られる時間は、山々の風景を眺めながら心を整える移動時間になります。伊那市に着いてからは、バスやタクシー、または徒歩で回れるエリアが多く、移動にストレスを感じることはありませんでした。

必要なものはすべて揃っていて、でも観光地化しすぎていない。この絶妙な距離感こそが、伊那市の魅力だと感じました。



福岡に帰ってからも続く、伊那で得た静けさ

旅から帰ったあとも、伊那市で過ごした日々はふとした瞬間に蘇ってきます。高遠城址の静寂、温泉のぬくもり、ローメンの香り、そして夜空に浮かぶ満天の星。ひとりで旅をしたからこそ、すべての体験が濃く、深く、心に残っています。



忙しさに追われる日々でも、「また伊那に行こう」と思える場所があること。それが私にとって何よりの癒しとなっています。

ひとりでも、満たされる旅をくれた伊那市



長野県伊那市は、派手な観光地ではありません。でも、静けさとやさしさ、そして自然の深い息づかいを感じることができる、本当に豊かな場所でした。警備員という職業柄、緊張の多い毎日を送っている私にとって、この一人旅は「心の休息」そのものでした。

またきっと、静けさを求めて、伊那市のあの風の中に帰りたくなる。そんな風に思わせてくれる旅先に出会えたことが、何よりの幸せです。