福岡の警備員の一人旅No.143 福岡市に住む警備員の一人旅で心が解きほぐされる癒しの時間 愛媛県西予市で出会った懐かしい自然と心に沁みる郷土料理と温かな宿と地元の酒と優しい人々との触れ合いと忘れられない旅のルート

旅行

日々の仕事に追われる中、静かに心と向き合う時間が欲しくなりました。福岡市で警備員として働く私が、今回の一人旅の行き先に選んだのは、愛媛県西予市。海と山、昔ながらの風景、人の温もりが今も息づく場所で、日常では味わえない深い癒しの時間を過ごすことができました。



自然と歴史が調和する西予市の魅力

愛媛県の南予地方に位置する西予市は、山間から海沿いまで多様な風景が広がる癒しの町です。特に印象的だったのは「卯之町(うのまち)」の町並みです。江戸時代から続く町家が整然と並び、歩くだけで心が静まりました。
町の中心にある「開明学校」は、明治初期に建てられた日本最古級の洋風校舎で、歴史の重みと温もりを感じられる場所です。窓から差し込む柔らかな光が、まるで昔にタイムスリップしたかのような感覚を呼び起こしてくれました。

さらに足を伸ばしたのは、「滑床渓谷(なめとこけいこく)」。苔むした岩々と澄んだ流れが織りなす景色は、まさに自然の芸術です。川辺の岩に腰を下ろして聞く水音は、心の奥のざわめきを静かに洗い流してくれるようでした。



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西予の宿で迎える静かな夜と心地よい朝

今回宿泊したのは「ゆの森」という自然に囲まれた一軒宿。標高の高い場所にあり、到着する頃には街の喧騒が完全に遠ざかっていました。館内は木の温もりを感じられる落ち着いた設えで、部屋からは雄大な山々と星空が一望できました。



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夜は露天風呂でゆっくりと湯に浸かりながら、満天の星を眺めました。湯けむりの中で深呼吸をすると、体の芯から力が抜けていくのを感じます。湯上がりには、ロビーの囲炉裏で地元のお茶をいただき、宿のご主人と交わした何気ない会話がとても心に残っています。

朝は小鳥のさえずりとともに目が覚め、窓を開けると霧が立ち込めた幻想的な風景が広がっていました。こんな朝を迎えたのは久しぶりでした。



西予の食材を活かした心も満たす料理

夕食は、地元の素材をふんだんに使った創作和会席。特に感動したのは、伊予牛の陶板焼きと、宇和海で獲れた新鮮な魚介を使ったお造りです。ひとつひとつの料理が丁寧に調理されており、見た目にも美しく、口に運べば自然の恵みがじんわりと広がりました。

また、椎茸やタケノコなどの山の幸も豊富に使われていて、自然と一体になった食事という印象を受けました。食後のデザートには、地元産の柑橘を使ったシャーベットが登場し、口の中が爽やかにリセットされました。



地元の酒で心ほぐれる夜のひととき

夕食とともにいただいた地酒「雪雀」は、まろやかでキレのある味わい。やさしい口当たりの中に力強さもあり、郷土料理ととてもよく合いました。

地元の酒蔵でつくられる焼酎「四万十源流」もおすすめで、ロックでじっくり味わいながら、旅の余韻にひたるのにぴったりの一本でした。宿の小さなバーで飲んだ梅酒も、地元の梅を使用していて、ほんのり甘く心を温めてくれました。



旅の記憶を形に残す西予のお土産たち

西予市のお土産で心惹かれたのは、地元産の柑橘「河内晩柑」を使ったジュースやジャム。優しい甘さと爽やかな香りで、旅の後もその味を楽しむことができました。

また、手作りの陶器や、木工製品、和紙細工なども豊富で、どれも自然と共に暮らすこの土地ならではの温もりを感じました。私は、滑床渓谷の苔をモチーフにした手染めの和紙小物を購入しました。見るたびにこの旅の静けさを思い出せそうです。



静かに癒される福岡から西予への旅路

旅のルートは、福岡市からJRを利用して松山まで向かい、そこから内子経由で西予市へと入りました。特急「宇和海」での移動は車窓の景色が美しく、窓から見える海や山の連なりに旅情を掻き立てられます。

帰路は海沿いの町「八幡浜」にも立ち寄り、フェリーでのんびりと九州へ戻りました。海の上で揺られながら、旅の思い出をゆっくりと振り返る時間もまた、心に残るものでした。



おわりに

愛媛県西予市は、自然と歴史、人の温かさが調和した、まさに癒しの場所でした。警備という責任ある仕事を日々こなす中で、ふと立ち止まり、自分をいたわる時間を持つことの大切さを改めて感じさせてくれた旅でした。



また心が疲れたとき、あの静かな町並みと山の風、そして満天の星空を思い出しながら、そっと再び訪れてみたくなる——そんな特別な場所になりました。