毎日緊張感をもって警備の仕事にあたる中、ふと心が「少し休みたい」とつぶやいた瞬間がありました。そんな私が選んだのは、鹿児島県の南端に位置する港町、枕崎市。福岡市から少し距離はありますが、そのぶんだけ心をゆるめてくれる、優しい時間が流れている場所でした。
朝日と潮風に包まれる枕崎の港町
旅の始まりは、枕崎駅から歩いて数分の港沿い。潮の香りとともに吹く柔らかな風が、心の緊張をほどいてくれます。港の向こうから昇る朝日は、どこか懐かしさを感じさせ、ただその光景を眺めているだけで、心がゆっくりとほどけていくのが分かりました。
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かつおの町で出会った本物の味わい
枕崎といえば、やはり「かつお」。駅前にある観光案内所で教えてもらった地元の食堂に足を運びました。出てきたのは、かつおのたたきに始まり、かつお節をふんだんに使った郷土料理の数々。なかでも「かつお飯」は、炊きたてごはんに鰹節の香りが重なり、思わず何度も箸が進んでしまいました。地元の味には、土地の空気と人のやさしさが詰まっているように思えました。
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静かな時間が流れる温泉宿
宿は、港から少し離れた小さな温泉旅館に泊まりました。和の趣あふれる館内に通されると、畳の香りと優しい照明が疲れた体を包み込んでくれます。窓を開けると見えるのは、ゆったりと広がる東シナ海。夜は温泉につかりながら、波の音に耳を澄ませ、ただ何も考えずに過ごすという贅沢な時間を楽しみました。
地元の焼酎とともに過ごす夜
夕食の後には、地元の焼酎「枕崎」をいただきました。芋の香りがふわっと広がる深い味わいで、体の中からゆるゆるとほどけていくのがわかります。一人でゆっくりと味わいながら、今日一日の旅の出来事を思い返し、気づけば自然と笑みがこぼれていました。
鹿児島の自然と触れ合う観光名所めぐり
翌日は観光へ。まず訪れたのは「火之神公園」。枕崎のシンボルとも言える火之神岩を背景に、のんびりとした時間が流れていました。青い海と空のコントラストが美しく、そこに立っているだけで自分が自然の一部になったような感覚を覚えました。次に訪れた「枕崎お魚センター」では、地元の人々とふれあいながら、鰹節や珍しい海産物を見て回りました。
旅の終わりに心を託すお土産選び
帰る前に立ち寄ったのが、枕崎駅近くの特産品店。ここで見つけたのは、職人の手によって丁寧に作られた本枯れ節、そして柑橘系の爽やかなジャム。手に取ると、旅の風景がふとよみがえり、家に帰ってもこの時間を大切にしたいと思いました。
福岡への帰路で考えた、これからの自分
枕崎駅から鹿児島中央駅へ、そして新幹線で福岡へ戻る道のり。車窓から見える田園風景や山々の連なりをぼんやりと眺めながら、改めて思いました。自分の中にこんなにも「静かな時間」が必要だったのだと。旅がくれた癒しは、日々の仕事に立ち向かう力へと変わっていきます。
この旅で感じたのは、「遠くまで行くこと」が目的ではなく、「自分を取り戻す場所に行くこと」の大切さでした。鹿児島県枕崎市は、まさにそんな場所でした。
これからも、心が疲れたときにはまた訪れたい。そう思える、優しさと癒しに満ちた一人旅でした。