福岡市に住む警備員が癒しを求めて一人旅に出た鹿児島県出水市で出会った歴史と自然と美味に包まれる心温まる時間
心を整える旅のはじまり
福岡市で日々、警備員として働いている私は、忙しさと人混みに少し疲れを感じていました。そんな時、ふと思い立ち、一人で静かに癒される旅をしようと決めました。目的地に選んだのは、鹿児島県出水市。九州新幹線で熊本経由で新水俣駅まで行き、そこからは肥薩おれんじ鉄道に揺られて出水駅へ。のんびりと移り変わる風景を眺めながら、心がすーっと静かになっていくのを感じました。
鶴の舞う町で感じる悠久の時間
出水市といえば、冬に越冬する鶴の飛来地として全国的に知られています。私が訪れたのは晩秋。少しずつ鶴が集まりはじめる時期でしたが、広大な出水平野に白鶴が羽ばたく様子を目にしたとき、その優雅さに言葉を失いました。出水市ツル観察センターでは、静かな空気の中で鶴をゆっくり観察できます。その場にいるだけで、まるで自然と一体になったような穏やかな気持ちになれました。
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歴史を感じる武家屋敷群の散策
次に訪れたのは、出水麓武家屋敷群。武士の暮らしが残るこの町並みを歩くと、どこか時代をさかのぼったような感覚になります。石垣や生垣が整然と並び、趣のある木造の屋敷が並ぶ通りを、ゆっくりと一歩一歩確かめるように歩きました。観光客も少なく、静寂の中に鳥の声が響く空間は、心が洗われるようでした。
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心と体を癒す宿のぬくもり
宿泊先は、市街地から少し離れた温泉宿「鶴の里温泉」。こぢんまりとした家庭的な宿で、温泉はとろりとした泉質で肌がすべすべになり、体の芯まで温まりました。露天風呂からは遠くに山々が望め、夜になると満天の星が広がります。静かな夜、湯に浸かりながらぼーっとする時間は、何にも代えがたい癒しのひとときでした。
地元の味に舌鼓を打つ
旅の楽しみといえば、やはり地元の料理。宿の夕食には、出水の名産であるカンパチのお刺身や、出水鶏の炭火焼き、旬の野菜を使った煮物など、心がこもった手作り料理が並びました。どの料理も素材の良さが引き立ち、自然の恵みをいただいている感覚でした。地酒は「出水の雫」。まろやかで口当たりのよい芋焼酎で、疲れた体にじんわりと染みわたっていきます。
旅のお土産選びもまた楽しく
翌日、出水駅近くの観光物産館でお土産を探しました。出水の鶴をモチーフにしたお菓子や、地元で作られた陶器、そしてもちろん「出水の雫」も手に入れました。特に印象的だったのは、出水鶏を使った燻製や缶詰のセット。家族や友人へのお土産にぴったりです。
癒しとやさしさに満ちた旅路
帰りは肥薩おれんじ鉄道から再び九州新幹線へ。出水で過ごした二日間は、静かで穏やかで、どこか懐かしさに包まれていました。派手さはなくとも、自然や歴史、温泉、食といったひとつひとつが優しく語りかけてくれるような時間でした。
福岡の喧騒を離れ、出水のゆったりとした空気に触れたことで、自分の中のざわつきがすっと静まった気がします。またきっと、ふらっと訪れたくなる町です。出水市は、心から癒されたい人にこそ訪れてほしい場所だと感じました。